日食ワークショップへの回答

日食・月食

日食のワークショップで、質問があったので、それへの回答ということで書いておきます。

・三国第一山
浅間神社の鳥居などには、「三国第一山」という額が掛かっていることがありますが、この「三国第一山」というのは、富士山が、甲斐(山梨県)・駿河(静岡県)・相模(神奈川県)の境界に位置する山だからです。現在は、神奈川県の県境は三国峠になっていますが、かつて、相模の国境はもっと富士山寄りにあったようです。

・富士の神仏
(以下は、富士の神々と浅間神社から引用)
富士に登場する神仏というと、神道では「木花之佐久夜毘賣命(このはなのさくやひめのみこと)」、富士講(修験道)もしくは仏教では「浅間大菩薩(せんげんだいぼさつ)」というのが一般的に言われていることですが、これらの神仏は江戸時代において祀られた神仏であり、その背後に富士の根源の神様が存在しています。
富士山は古くは、「フヂ」もしくは「フチ」と呼ばれていたようで、富士の古い神社で元は現在の浅間大社(富士宮市)の地にあったのが、富知神社です。富知神社は現在は「フクチ」じんじゃと呼ばれていますが、延喜式(延喜式神名帳)では「フヂ」と読めるようです。
富知神社は山宮浅間神社が里に里宮である浅間大社を造営するときに、移転して現在の地に立っており、歴史的に見れば、 フヂ(富士) → アサマ(浅間) → センゲン(浅間) → センゲンダイボサツ(浅間大菩薩) → コノハナサクヤヒメ(木花之佐久夜毘賣命)  という順で、富士信仰の中心が変遷しているようです。
富士山の神を祀るのが「富士神社」でなく、「浅間神社」となっていますが、浅間神社は浅間大神(あさまのおおかみ)という火山の神を祀る神社です。 富士山は現在は活動を休止している休火山ですが、歴史を遡るとたびたび噴火をしています。 富士山の噴火の歴史については小山さんの「富士山歴史噴火総解説」に詳しく書かれています。浅間大神は噴火を繰り返す富士山に対し、人間が鎮火・平安を願って祀った神であり、神の怒り=噴火を承伏することを目的としています。
富士信仰の中期においての神様は浅間大神であったのだが、富士修験を開いた末代上人(まつだいしょうにん 1105?~?)が修行中にしばしば「浅間大菩薩(せんげんだいぼさつ)」が現れ、この浅間大菩薩と浅間大神は同一であるとの悟りを得たという。その後、その菩薩は「木花咲耶姫」であるとの思想が出現し、富士と木花開耶姫が結びついていったらしい。
富士山には、富士山を神籬(ひもろぎ)とするのでなく、山そのものが神であり御神体である「富士大神(ふぢおほかみ)」が控えています。富士山本宮浅間神社の現在の社地は元来は富知(ふぢ/ふち)神社のものであり、かつては富知神社が富士の山霊である富士大神(富知大神)を祭っていました。
浅間大神様は基本的には男性的なエネルギーをもっており、木花開耶姫の女性的なやさしいエネルギーとは異なるエネルギーです。浅間は、「せんげん」と読む場合と「あさま」と読む場合があるのだけど、この読み方でもエネルギーが異なります。 「せんげんおおがみさま」だと男性的なエネルギーが降りてくるのに対し、「あさまおおかみさま」だと女性的なエネルギーが降りてきます。
そして、富士大神(ふぢおほかみ)になるとかなり強烈なエネルギーで男女といった区分がなく、宇宙の根源的なエネルギーであるように感じられます。
つまり、現在の富士には、「木花之佐久夜毘賣命(このはなさくやひめ)」と「浅間大神(あさまのおおかみ)」と「富士大神(ふぢおほかみ)」の三つの神と「浅間大菩薩」が重層して存在しています。富士山を遥拝するときや富士の場においてエネルギーワークをするときは、これらの神仏のどちらに繋がるのかを明確にしておかないと、うまく繋がることができず効果も限定的になってしまいます。

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