日本辺境論

お勧め

以前紹介した、現代霊性論(リンク)の著者である、内田 樹氏の新書です。
この本は、「日本人とは何者なのか」を論じた本なので、スピリチュアルなことを主題として書いている本ではありませんが、日本の立ち位置や日本人の思考パターンというものを考えるときに、とても示唆に富んだ本です。
2010年の新書大賞を受賞しています。

Henkyoronおすすめ度:★★★★
出版社: 新潮社 (2009/11)
ISBN-10: 4106103362
ISBN-13: 978-4106103360
発売日: 2009/11
価格: ¥ 777
アマゾン: リンク

内容的に、かなり幅広い話題を扱っているので、深さや論証という点では、著者も冒頭で書いているとおり、突っ込みどころ満載ではありますが、普段我々が無自覚なことがらを、表に出して気づかせてくれます。
この本はその成り立ちゆえに、アマゾンのカスタマーレビューでは評価がかなりばらける結果になっていますが、これらのレビューを見ていると、字面を追いかける読み方をする人からは低い評価を受けて、字面を追いかけるのではなく、その奥に意味するところをくみ取っている人からは、高い評価を受けているように思えます。

日本という国は、国土の成り立ちが、辺境すなわち、隣接する大陸の大国である中国との関係からすれば、東の果ての国、つまり辺境であるということが、日本人の思考パターンを形成しており、これ抜きに日本というものは語れないということがわかります。

日本の産業技術は優秀なのに、なぜ世界標準を作れないのか?というのも、この本を読むとその理由がわかってきます。

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