ブッダの教えは今も通用するのか

スピリチュアル

ブッダ(釈迦)が生きていた時代は諸説ありますが、いずれも紀元前数百年という時期になりますから、ざっと2千5百年の時を経ているということです。
ブッダの教えは、当初書物ではありませんでした。ブッダ没後に書物(経蔵と律蔵)として編纂されたため、アジア各地に広く伝搬するようになったのですが、伝搬と同時に様々な解釈がなされたり、土地の伝統宗教との融合などが起きているため、現在我々が接する仏教の多くは、ブッダの教えそのままではありません。

ブッダの教えを分かりやすく解説した本としては、こちらの本がおすすめです。

Buddha
書名:いちばんやさしい ブッダの教え
監修者:田上太秀(仏教学者 駒澤大学名誉教授)
単行本: 256ページ(ソフトカバー)
出版社: 西東社
ISBN-10: 4791622871
ISBN-13: 978-4791622870
発売日: 2014/5/19
定価: 740円+税
Amazon:http://www.amazon.co.jp/dp/4791622871/

ということで、こちらの本に書かれているブッダの教えについて、それが今も通用するのかについて考えてみます。

私自身は、神社神道やバーバラ・ブレナンのエネルギーヒーリングを入り口として、かれこれ15年ぐらいスピリチュアル(霊性)を探究してきました。なので、スピリチュアルの入り口ということでは、ブッダとは全く異なるところから入ってきています。

スピリチュアルを語るとき、スピリチュアルを語る人が背景として持っている土地の文化や伝統的な宗教観、あるいは時代背景をベースとして表現することになるので、語る言葉や表現といった、表層的なことはずいぶん異なって見えることが良くあります。

しかし、表層的なことを剥ぎ取って、本質的なことのみを探究していくと、文化や土地といった特性は消え去って、スピリチュアルの原点が残っていくことになります。そこには、土地や文化や時代といった変化するものに左右されない、本質的な事柄のみになります。

そのため、本質を追求している人の話は、土地や時代や文化が異なっていても、良く読み取れば同じ話になってきます。
ブッダが体得した悟りの原点と、現代的なスピリチュアルにおいては、本質的な違いはまったくありません。ですので、教えそのものは、今も十分通用します。

しかし、スピリチュアルの本質というのは、本来言葉で言い表すことができない領域のものです。本質を人に伝えようとするときには、本来言葉ではないものを言葉に置き換えて表現するしかないので、表現するときには語り手の個性がそこに含まれてきます。
この個性を形成するのは、語り手が持っている時代背景・文化背景・宗教的背景になります。
そして、言葉にした瞬間、言葉はすでに古くなっています。

ブッダの教えというのは、ブッダが生きていた時代・文化・宗教を背景にしたものになるのですが、現代の日本とブッダの時代では、生活環境においては、大きな違いがあるため、現代の日本人には響きにくい言葉や表現が多く含まれていることになってしまいます。

なかでも代表的なのは、苦をベースにしていることです。苦というのはブッダが生きていた当時において、人生を考える上で大きな文化的要素になっていたため、ブッダの教えの原点は苦を取り上げています。

人類の長い歴史は、この苦を無くすか、無くすことができないなら和らげるということをずっと行ってきました。かつてインドでは苦が日常的でしたが、文明が進んだ現代の日本においては、苦を感じることがそれほど多くありません。むしろ退屈を感じる方が日常的ともいえるくらいです。

ブッダの教えそのものは、現代にも十分通用するものですが、それをどう表現するのかは、時代ごとに変わっていく必要があるかと思います。

そういった意味で、ブッダとは対照的なのが、バシャールのワクワクです。
バシャールとは、ダリル・アンカがチャネリングすると地球外の知的存在で、公開チャネリングセッションを書籍にしたものが日本でも話題になり、Youtubeにもたくさんの公開チャネリングセッションがあります。

Bashar
書名:バシャール・ペーパーバック1―ワクワクが人生の道標となる (VOICE新書)
著者:バシャール,ダリル・アンカ
翻訳:関野直行
新書: 285ページ
出版社: ヴォイス (2002/11/1)
ISBN-10: 4899760345
ISBN-13: 978-4899760344
発売日: 2002/11/1
Amazon:http://www.amazon.co.jp/gp/product/4899760345/

ワクワクは、公開セッションのビデオを見ていると、highest excitementという言葉を使っており、翻訳するなら最も情熱的になれることといった意味になります。バシャールのセッションでは「ワクワクすることをしよう」ということが良く言われます。ワクワクするというのは、真の自分を表現するバイブレーションであり、そのバイブレーションにしたがって生きるというのが人の人生の目的であるとしています。

表面的には、ブッダの苦に対して、バシャールのワクワクというのは、正反対のことを言っているように見えます。しかし、表面的な違いに捉われず見ていくなら、両者に共通しているスピリチュアルの本質というものが見えてきます。

ブッダの苦は、理性的に生きることが難しかった時代に人の心に響きます。バシャールのワクワクは、理性的つまり考え過ぎになっている現代人の心に響きます。

どちらも、感情的に偏るでもなく、理性的になり過ぎるでもなく、自分らしく生きることを説いているということでは同じことを語っています。

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