隠れていた宇宙/ブライアン・グリーン
ブライアン・グリーンは、コロンビア大学の物理学・数学教授で、最新の物理学である、ひも理論(超ひも理論)研究の第一人者です。
ブライアン・グリーンの著書としては、「エレガントな宇宙」、「宇宙を織りなすもの」などを読んできて、最新の科学(なかでも、ひも理論・宇宙論)を分かりやすく解説してくれる(といっても、科学に興味が無い人が読むと全然わからないレベルの書き方ですが)書いてくれるので、本屋で見つけて早速買ってきました。
前記の二冊は、比較的絞られた分野についての解説本だったので、比較的分かりやすかったのですが、今回の本については、最新のひも理論・宇宙論とそれにまつわる広範囲の話題を書いており、しかも結論が出るまでの議論の過程まで含めているということがあり、これまででは、一番難しい内容と言えるかもしれません。
実際読んでいて、ブライアン・グリーンの著書としては、一番難しかったという印象です。
しかし、最新のひも理論・宇宙論において、議論されていることが書かれているので、結論を知りたいのではなく、今現在の科学において、議論されていることを知りたい人には良い本かと思います。その逆にてっとり早く科学の結論を知りたい人には向いていません。
この本の特徴は、ひも理論・宇宙論で、今何が語られているのかということなのですが、その中から特徴的なキーワードを挙げると、
(1)並行宇宙:われわれが住んでいる宇宙以外にも宇宙が存在する
(2)多次元世界:この世界は、3次元ではなく、11次元である
(3)サイクリック宇宙:宇宙には始まりもなく、終わりもなく、循環している
(4)シミュレーション世界:我々はシミュレーションの中で、物質世界を情報として経験しているだけであって、この世界は実存しない幻想なのかもしれない
(5)多宇宙世界:我々が住んでいる宇宙は、ただ一つではなく、他の宇宙が存在するということが、最新の宇宙論では必然的な結果である
ここでは、5つのキーワードを挙げていますが、これだけを見ても、これまでの科学の常識からすれば、十分驚きの内容です。
スピリチュアルの世界で語られていた事ばかりですね。最深の宇宙論とスピリチュアルの知識が少しずつではあるが統合されていくのがこれから未来に起きることだというのが良くわかります。
この本は、読み手を選ぶところがあるので、買う時はかならず本編を本屋で立ち読みして(Amazonのなか見だと、易しい内容のまえがきしか載ってないので、判断を間違える可能性が高い)、自分が理解できる内容かどうかを確認してからにしてくださいね。
書名:隠れていた宇宙
著者:ブライアン・グリーン
監修:竹内 薫
翻訳:大田 直子
発売日: 2011/7/22
出版社: 早川書房
ページ数: 324ページ
上巻
ISBN-10: 4152092254
ISBN-13: 978-4152092250
価格:¥1,995
下巻
ページ数: 324ページ
ISBN-10: 4152092262
ISBN-13: 978-4152092267
価格:¥1,995
お勧め度:
一般向けの科学書を読んできた人 → ★★★★
ブライアン・グリーンの過去の著作を読んできた人 → ★★★★
一般相対性理論・量子理論と聞いて、何のことかわからない人 → ★
手軽に最新科学を知りたい人 → ×
【参考ビデオ】
ブライアン・グリーンが語るひも理論 | Video on TED.com
2009年11月28日(英語・日本語訳字幕あり)
物理学者のブライアン・グリーンが超ひも理論について語り、11次元の世界で振動するごく小さいエネルギーの紐が宇宙にある全ての物質と力を生み出していると説きます。
http://www.ted.com/talks/lang/ja/brian_greene_on_string_theory.html
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