忘却力というのは、上手に忘れる力のことです。
昨年から今年のような変化の激しい時代背景の中では、これまでの知識・経験が役に立たなくなってきます。そのためには、古い知識・経験を忘れることも大事です。
これを、コンサルタントや学者さんたちは、アンラーニング(unlearning)という言い方をしています。アンラーニングというのは、アン+ラーニングで、接頭語のun=取り去る と learning=学習 の二つからなっており、つまり学習したことを一度リセットすること → 忘れること が変化の時代には必要なことであると主張しています。
忘却力がないと、過ぎ去ってしまったことをいつまでもくよくよと悩んだり、過去に対して愚痴を言ったりするようになります。それは、本来であれば未来を創りだすためのエネルギーを過去を見つめることに使ってしまうことになり、よりよい未来へ向かう力を低下させてしまいます。
年を取ると、物忘れが激しくなるということが言われていますが、これは人生の色々なこと、良かったことも悪かったことも、辛かったことも、みんな忘れて穏やかに死ぬことができるように組み込まれたことなのです。
コメント
僕は今、「観音力」という本を読んでいます。
観音様はお顔がたくさんあって、手もたくさんあって
何故かといえば、さまざまな人々の願いを
即座に対応できるように、変化に対応できるように。。。
あのような形になったと書いてありました。
人は良い事はすぐ忘れてしまい
悪い事は、いつまでも忘れないように
できていると思います。
どうして、悪い事は忘れづらいのでしょうか?
執着する事は、生きていく事で
大きな宿題のような気がします。
執着を少しでも少なくしていきたいと
このブログを読んで感じました。
僕はまだまだ執着だらけかも知れないです。。。
「上手に忘れる」とは難しいことですね。
私なんか「喉もと過ぎれば・・・」ですので、すぐに忘れて、また繰り返す。
でも、おかげさまで悪い記憶もどんどん忘れてしまうので、楽しかった記憶しか残りません。
それは、みんなが驚くほどです。
だから成長がないのかもしれません。
みのるさん
人は、長い歴史の中で、悪いことに対して敏感になっているため、良いことよりも悪いことに対しては、記憶にとどめておこうとする傾向があります。
だが、その悪いことというのが、実は当人が勝手に悪いことと定義しているだけなので、それに気が付けば、忘れることができるようになります。
ミケニャンコさん
そこで言う「成長」とは、何でしょうか?
成長することが絶対的に正しいということはありません。
階段に踊り場があるように、一時的には成長しない方が、良いこともあります。
それから、私自身もどんどん忘れる方のタイプで、記憶には残らないのですが、行動パターンの変化という形で残っています。なので、記憶というのは、無くなっても行動パターンとして残っているのであれば、問題はないと考えています。
というか、そちらの方が本質なのではないかと・・・