大きな災害があると、気象庁が観測史上初と言う言葉をよく使いますが、日本の気象観測は明治から始まっているのでせいぜい140年ほどの歴史しかありません。
日本人が明らかな足跡を残している石器時代から縄文時代は、今から約1万5千年前になるので、140年というのは日本の長い歴史の中のたった0.9%ほどの期間です。
かつて日本列島は、大きな気候変動があったことが知られていますが、それらについては観測データがないため、観測史の中に含まれていません。ですから、観測史上というのは、わずか140年ほどの期間で言っているだけなので、毎年のように観測史上初という言葉が聞かれるわけです。
観測史上初という言葉を聞いたなら、謙虚に気象について私たちが知っていることがどれほど少ないのかを想い出すことが大切です。
コメント