レイラインを理解する上で、重要なのは太陽の動きです。
太陽は地球における恵みの根源であり、季節を作り出すものですから、とても重要な天体です。なので、古代より太陽を観測するのは季節を知るためにとても大切なことでした。
太陽を一年間観測すると、一年の中で特別な日が4つあることに気が付きます。
それは、夏至・冬至と春分・秋分であり、4つの日をまとめて二至二分と呼んでいます。
一年の季節の順番で説明すると、
春分:3月20日頃
夏至:6月20日頃
秋分:9月20日頃
冬至:12月20日頃
となります。
二至二分が三か月ごとにあり、しかも20日頃とだいたい決まった日になっているが判ります。なぜなら、私たちが使っているカレンダーは、この二至二分をベースとして作られているからです。
日照時間(昼の時間)では、
冬至:昼が最も短い
夏至:昼が最も短い
春分、秋分:昼と夜が同じ
となります。(ただし、厳密には昼夜の定義の関係から昼の方がわずかに長い)
太陽の動きは、こちらの図のようになります。
春分と秋分では、太陽は真東から昇って真西に沈みます。
冬至では、南寄りの東から昇って、南寄りの西に沈みます。
夏至では、北寄りの東から昇って、北寄りの西に沈みます。
太陽を観測することで、一年のサイクルを正確に知ることができるので、二至二分がベースとなってカレンダーは毎年作られています。
自分が住んでいる地域の二至二分の日出と日没の方位角は海上保安庁サイトで計算することができます。
日月出没計算サービス
https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KOHO/automail/sun_form3.html
東京、札幌、那覇で計算した結果がこちら。
東京と札幌・那覇では3度から4度くらい異なりますが、東京、仙台、大阪あたりだとほとんど同じ結果となります。
レイラインを考えるとき、地形や立地なども関係するため、±2度ぐらいは許容範囲とされるので、それらを踏まえて分りやすくすると、こうなります。
神社や聖地では、二至二分の日はエネルギーが高くなります。
そして、上図の太陽のラインが関係するとさらにエネルギーが高くなるので、古来より二至二分は重要視されてきました。
関東では、東国三社の鹿島神宮、香取神宮、息栖神社と大戸神社がこのライン上に建てられている代表的な神社です。
また、伊勢神宮も夏至の日出ラインに沿って建てられていることが知られています。
夏至には夫婦岩の間にある富士山の真後ろから太陽が昇り、その光は外宮と内宮の中間を通り抜けます。また、冬至の朝日が内宮の鳥居の真後から昇ってくるように建てられています。
そもそも、神宮と言う名称は当初、伊勢神宮と鹿島神宮と香取神宮の三つの神社のみで使われていた呼称であることを見ても、レイラインに神社を建てているということが分ります。
ここまで、太陽の動きがベースになるレイラインについて書いてきましたが、大きな霊山(富士山や立山など)や湖など風水的に重要な場所もレイラインの基点になります。また、東北西南のライン、いわゆる鬼門・裏鬼門についてもレイラインの一種になります。
【補足】
レイライン(ley line)の説明で、レイ(ley)を光の古語として説明されることがありますが、古語も記載されている辞書を見ても記述がありません。leyは「草地、牧草地、開墾した場所」という意味になりますから、レイラインとは「広い平地に一直線で並ぶ」というのが本来の意味のようです。
rayは光線、放射線、輻射線という意味がありますが、英語圏ではRとLは異なる単語になるので、leyを光とするのは無理があります。
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