
「過去は変えられない」と、よく言われます。
確かに、過去に起きた「事実」そのものを変えることはできません。
しかし、過去をどう捉えるのかは、自分で変えることができます。
過去というものは、大きく分けると、「客観的な事実」と「主観的な評価」の二つから成り立っています。
たとえば、過去に誰かから傷つく言葉を言われたとします。
「その人から、その言葉を言われた」という事実そのものは、変えることができません。
しかし、その出来事を、
「自分は傷つけられた」
と捉えるのか、
「その経験があったからこそ、自分のことを深く知ることができた」
と捉えるのか。
そこは、自分で選ぶことができます。
つまり、自分の過去をどう捉えるのかは、自分自身が決めることができるのです。
カウンセリングをしていると、「過去は変えられない」と思っている人に出会うことがあります。
その場合、多くの人は「過去に起きた事実を変えなければ、今を変えることはできない」と考えてそのために苦しんでいる人が多いです。
でも、その事実に対して、自分がどんな意味を与えるのか。
その出来事を、どのような経験として受け止めるのか。
それは、自分次第なのです。
過去に起きた出来事は、すでに過ぎ去ったものです。
今この瞬間に存在しているのは、その出来事そのものではなく、私たちの中に残っている「記憶」です。
そして、その記憶に「どんな意味を与える」のかは、現在の自分が自由に選択することができます。
そう考えると、過去は「変えられないもの」ではなく、「意味を変えることができるもの」なのです。
もちろん、
それは単なる屁理屈ではないか
と思う人もいるでしょう。
過去に起きた事実そのものが変わるわけではありませんから、そう考えるのも当然です。
しかし、
「過去は変えられない」
と思って生きるのと、
「過去の意味は変えることができる」
と思って生きるのでは、これからの人生にどんな違いが生まれるでしょうか。
私は、「過去の意味は変えることができる」と考えるほうが、これからの人生をより自由に生きていくためには役に立つと思っています。
過去に縛られるのではなく、過去の意味を自分で選び直す。
そうすることで、過去は「自分を苦しめるもの」から、「これからの人生を支えてくれるもの」へと変わっていくのです。


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