伊勢神宮にほど近い、三重県の二見浦では、夏至には沖合の夫婦岩の間から朝日が昇ります。
夫婦岩の間には水平線上に富士山が遠くに見え、富士山の後ろから太陽が昇るので、その光景を見ることができれば、大変神秘的です。
二見浦で行われる「夏至祭」では、日の出を迎える、すなわち太陽神である天照大神を迎えるために、白装束で、祝詞をあげて夫婦岩に向かい日の出を待ちます。
ただ、夏至は梅雨時期ということもあって、夫婦岩の間に遠望される富士山の向こうから登る朝日を拝むことができるのはなかなかないそうです。
二見興玉神社に置かれているこの説明では、夏至の日の出の見え方を描いてあり、ちょうど富士山の真上に太陽を見ることができます。
夏至の時は、太陽と富士山と夫婦岩が一直線に並び、伊勢神宮の外宮と内宮の間を貫きます。
夫婦岩は二つの岩が並び、北側が男岩、南側が女岩になりますが、伊勢神宮も北側に位置する外宮は外削ぎで男神を表し、南側に位置する内宮は内削ぎで女神を表しています。
また、夏至の日の出ラインと外宮内宮を結ぶラインはきれいに直交(90°)していること。
内宮の宇治橋はちょうど冬至の日の出ラインになっていることを見ても、伊勢神宮が太陽のラインを意識して建てられていることが判ります。
また、夏至の日の出ラインを西に追いかけて行くと、浅間山の頂上付近になります。カシミール3Dという山岳地図ソフトを使うと、浅間山の頂上からは富士山を眺望できるということですから、夏至の日の出においては、ここから富士山の背後から昇る太陽とその両側にある伊勢神宮外宮と内宮を見ることができます。
伊勢神宮の別宮である瀧原宮の場所が地図で見るとちょっと微妙な感じがするのですが、浅間山の頂上を見通せる場所で最も近い場所にあることを見ると、やはり夏至の日の出ラインを意識しているという印象です。
アマテラスは元々が太陽信仰から来ているので、アマテラスを祀る伊勢神宮の位置関係に夏至や冬至のラインが見られるのは、ごく自然なことだと思います。
コメント