この記事は、以下の一連の記事の追加情報として書いています。
上記の記事では、東京湾と相模湾に面する三鶴八幡について書いていますが、三鶴八幡がどの神社なのかについて、ネット上の情報を見ると誤解や勘違い、検証不足の記事が多いので、書いておきます。
●三鶴八幡は複数の説がある
まず、東京湾を中心とした三鶴八幡の場所について、GoogleMapと神社本庁のデータで確認します。
こちらの図は、関東で「鶴」の字で始まる八幡神社/八幡宮をリストアップしています。
(八幡神社と八幡宮の違いについては、細かいことを言えば色々とありますが、この記事の検証においては、どちらも八幡神社を指すと考えて構いません)
他には、茨城県古河市、愛媛県西条市、 福岡県田川郡香春町などに鶴の字で始まる八幡神社がありますが、これらは東京湾・相模湾から離れているので、三鶴八幡には含まれません。
東京湾・相模湾を中心として、鶴の字で始まる八幡神社は以下の6社になります。
①鶴峰八幡宮(千葉県富津市八幡)
②鶴谷八幡宮(千葉県館山市)
③鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)
④鶴峯八幡宮(千葉県市原市中高根)
⑤鶴峯八幡神社(千葉県富津市数馬)
⑥鶴嶺八幡宮(神奈川県茅ヶ崎市)
どの神社を三鶴八幡とするかは、複数の説があります。
●異論のない三鶴八幡の二社
三鶴八幡のうち、異論が無い二社からリストアップすると、
②鶴谷八幡宮(千葉県館山市)
③鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)
この二社には異論がありません。
また、
⑥鶴嶺八幡宮(神奈川県茅ヶ崎市)
こちらの神社も良い神社ですが、歴史的に見ても三鶴八幡には含まれません。
残るは、
①鶴峰八幡宮(千葉県富津市八幡)
④鶴峯八幡宮(千葉県市原市中高根)
⑤鶴峯八幡神社(千葉県富津市数馬)
の三社になります。
●鶴峯八幡宮の混同
こちら二社は、どちらも「鶴峯」(山へんがない峯)を使っています。
④鶴峯八幡宮(千葉県市原市中高根)
⑤鶴峯八幡神社(千葉県富津市数馬)
市原市の鶴峯八幡宮は、三鶴八幡の一社と言われることが多いのですが、富津市数馬の鶴峯八幡神社と混同している記事を見かけます。
●富津市の二社の混同
こちらの二社は、どちらも富津市にあり、直線距離で4Kmほどしか離れていません、
①鶴峰八幡宮(千葉県富津市八幡)
⑤鶴峯八幡神社(千葉県富津市数馬)
明治の廃藩置県前の旧国名の場合どちらの八幡神社も「上総国天羽郡」になるため、混同している人がいるようです。Wikipedeaも間違えているようです。
正式な社名が、「鶴峰」なのか「鶴峯」なのかを確認すると、別の神社であることが分ります。
●立地で見る
①鶴峰八幡宮(千葉県富津市八幡)
④鶴峯八幡宮(千葉県市原市中高根)
⑤鶴峯八幡神社(千葉県富津市数馬)
の三社を立地で見ると明らかな違いがあります。
①鶴峰八幡宮(千葉県富津市八幡)
こちらの神社は、表参道を下って行くと、海に繋がります。
④鶴峯八幡宮(千葉県市原市中高根)
こちらの神社は、陸地内にあり、海には繋がっていません。
⑤鶴峯八幡神社(千葉県富津市数馬)
こちらの神社は、陸地内にあり、参道を下って行くと川に面します。
●表参道を下って海に繋がる
異論のない二社を見ると、どちらも、表参道を下って行くと海に繋がります。
③鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)
②鶴谷八幡宮(千葉県館山市)
そして、富津市で海に繋がるのは、
①鶴峰八幡宮(千葉県富津市八幡)
になります。
●共通点が重要
ここまで書いたとおり、表参道を下って行くと、海に繋がっている神社は、
①鶴峰八幡宮(千葉県富津市八幡)
②鶴谷八幡宮(千葉県館山市)
③鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)
の三社になります。
歴史を遡ると色々あるかもしれませんが、現代において表参道が海に繋がっており、なおかつそれなりの規模やエネルギーを持っている神社を選択するなら、上記の三社が三鶴八幡であると言えます。
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