赤城山の大沼のほとりに建つ赤城神社は、1970年に旧社地から現在の「小鳥ヶ島」に遷座しています。
なぜ遷座したのか調べても、具体的な資料が見つからないので、立地を元に調べてみました。
赤城山という山はない
赤城山は、榛名山、妙義山と並び、上毛三山の一つに数えられていますが、赤城山という山は存在しません。
赤城山は複数からなる火山の総称です。
構成する山々は、以下の通り。
黒檜山 (1828m) - 最高峰
駒ヶ岳 (1685m) - 第二高峰
地蔵岳 (1674m) - 第三高峰
長七郎山 (1579m) - 第四高峰
小地蔵岳 (1574m) - 第五高峰
荒山 (1572m) - 第六高峰
鈴ヶ岳 (1565m) - 第七高峰
そのため、赤城山は見る場所ごとに異なる姿を見せます。
赤城神社の御神体
最高峰の黒檜山を神体山、また同時に、大沼も神体湖としています。
そのため、旧社地はその神体山と神体湖の両方を眺めることが出来る場所になっています。
さらに、現在社殿が建っている「小鳥が島」は出土品などから見ると聖地として扱われていたようで、旧社地の社殿は「小鳥が島」に向かって建てられています。
赤城神社の遷宮
「小鳥が島」はその名の通り、かつては島であったと思われます。
そのため、人が往来する神社を建てることができず、「小鳥が島」に向いて神体山と神体湖の両方を眺めることが出来る場所に神社を建てることになりますが、その後なんらかの理由で地続きとなって、往来が可能になったのではないか、そういった経緯があり、1970年に聖地に赤城神社を遷宮することにしたのではないかと思います。
「小鳥が島」はやはり島だった [4/23追記]
今昔マップで見ると、昭和7年発行の地図では、「小鳥が島」はやはり島でした。
赤枠は拡大図。
時系列地形図閲覧サイト「今昔マップ on the web」
https://ktgis.net/kjmapw/
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