■カウンセリング
【基礎 その3 原因と結果】
物事には、原因と結果という因果関係がありますが、これが1対1の関係の時はわかりやすいのですが、原因と結果が1対nもしくは、nタイ1(n>1)ということがあります。
これはどういう状態かというと、カウンセリングにおいて、クライアントさんが多くの問題を挙げるのですが、よく見ていくとその原因は1つか2つでしかないということがあります。つまり、1つの原因によって複数の問題が引き起こされていることがあります。ところがクライアントさんは、それぞれ別の問題として認識し対応しているため、原因が1つであるということに気が付かない状態です。この場合は、その1つの原因をきちんと捉えて、カウンセリングすることが必要です。
また、一方で、結果としておきている状態に対して、複数の要因が絡んでいるという場合もあります。この場合は、複数の要因それぞれを区別・認識し、要因ごとの対応をきちんとカウンセリングすることが必要になります。
【基礎 その4 人は良いことを行っている】
相談内容の中で、家族の誰かがいわゆる問題行動をとることがあった場合、それを問題と思っているだけでは、本当の原因にたどり着くことができなくなります。
人の行動原理の一つに、「自分にとって良い行動をする」ということがあります。一見すると問題行動のように見えたとしても、本人の認識としては自分にとってそれがいいことであるから行うわけです。
たとえば、過食について考えてみます。過食というのは明らかにその人の体にとって良いことではありません。しかし、その行動を起こす背景としては、過食することがその人の精神的な面で何か良いこと(メリット)があるからそれを行っているのであって、そのメリットの部分に気が付くことが大切で、多くの場合過食することは、精神的渇望を補填するというメリットがあるため、その精神的渇望をそのままにしている間は過食が続くことになります。精神的渇望に気づいて対処することがその行動を辞めさせるには一番大切なことです。
(続きます)