全国の神社のうち、一宮を紹介する本は色々と出ていますが、律令制による律令国の一宮は、単独で存在するものもあれば、二宮・三宮などの神社と深く結びついていることも多いので、一宮だけを見ていると、十分な理解をすることができません。
武蔵国(武州)の場合は六宮まであり、当初は府中市にある小野神社が一宮で、大宮氷川神社は三宮だったのが、後年大宮氷川神社が一宮へと変遷していたりします。
そういった意味で、一宮だけではなくすべての宮を調べることが必要になるのですが、多くの場合は三宮までを調べることで、律令国の成り立ちに近づくことができます。
そういった視点から書かれた本がこちら:
写真や絵図を使ったカラフルな判りやすい本とは異なり、文字が主体ですが、各国の一宮から三宮までを調べてコンパクトに書かれており、神社を深く理解する入口としてお勧めです。
ネット上を検索すれば、一宮・二宮・三宮に関する情報は沢山ありますが、書き手が異なっていたり、書いている目的や、書いている範囲や深さにばらつきがあるので、比較検討することが上手くできないことがよくあります。むしろ一人の著者が書いた本を読む方が、比較検討がきちんとできるのと、ネット上にはない情報も多いので、ネットが普及している今でも書籍というのは重要な資料です。
書名:諸国神社 一宮・二宮・三宮
著者:渋谷 申博
単行本:380ページ
出版社:山川出版社 (2015/7/29)
ISBN-10:4634150867
ISBN-13:978-4634150867
発売日:2015/7/29
定価:1800円(税別)
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4634150867/
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