人には誰しも、自分についての物語を持っています。
自分の両親や、生い立ち、学生時代のこと、仕事のこと、昨年起きたこと、などなど。これらはすべて自分の過去を物語ることによって、今の自分がどのような人間であるかを理解しています。
ところが、これはあなた自身について物語っているのではありません。
あなたの過去と、現在のあなたとの間に存在するのは、記憶でしかありません。事実ではありません。
記憶というのは、あくまでもあなた自身の見方を表しているのであって、事実をどう解釈したのかということです。事実の記録ではありません。
記憶というものは、解釈なのであなた自身で変えることができます。
ところが、ほとんどの人は、物語を事実の記録として捉えているので、自分自身を変えることが非常に難しくなり、物語に縛られて生きています。
人間は本来自由な存在ですから、これは不幸なことです。
たとえば、「私は学校の成績が悪かったから」というのは、よく聞かれる言葉です。ところが仕事の現場を見てみるとわかりますが、仕事が出来るかどうかと、学校の成績というのは(ごく一部の例外を除いて)ほとんど関係がありません。これも自分の物語に縛られているということです。
自分についての物語は、あなた自身で解釈を変えることができます。
そうすることで、あなたは物語から自由になり、これからの人生をもっと自由に生きることができるようになります。
コメント
そうは言っても、最初は、
まずは、とりあえず「物語」がないと不安でしょう。
「あなたは青が似合う」みたいな「物語」があれば、
とりあえずシャツの色に迷ったら青を選べばいいわけで・・・
その「物語」で、自分を確認できることもあるでしょう。
それで安定、安心、楽しい、ならそれでいいと思います。
でも、いずれ、その「物語」に、しばられしまいますね。
セルフイメージに限らず、あるいは、正義だとか、努力すれば報われるとか
いろんな「物語」があるように思いますが、
キュウクツに感じたら、その「物語」から自由になるといいと思います。
(自由になる、というかぶっ壊しちゃえばいいんですよ)
> 辰巳の辻占 さん
いずれ記事で書きたいと思っていますが、最初の物語とは、「自我」のことです。
自分を認識するためには、自我が必要なので自我は大切なのですが、その後になって、自我という物語に縛られてしまうことが起きています。