悟った状態は、自我が無くなるけれども、「(1)食事や睡眠により肉体精神機構を維持する」、「(2)肉体精神機構を他人と区別する」という二つの機能が無くなることはありません。
自我の定義は、人によってそれぞれ微妙に異なるので、この(1)と(2)二つの機能を自我に含めない場合と含める場合があります。
自我に含めない場合は、
(1)食事や睡眠により肉体精神機構を維持する を 生命
(2)肉体精神機構を他人と区別する を アイデンティティ
と呼んだりします。
いずれにせよ、悟る前と悟った後で、外見的に異なることはありませんし、自我が無くなっても、生命の危機に陥るわけでもなく、肉体精神機構はそのまま継続します。
自分という存在に関する認識が、肉体精神機構を分離した個人と見なしていたのが、分離した個人は(見かけ上は存在するかのように見えるが)実在しないに替わります。
自我が無くなることを心配する人が居るのですが、その心配は自我自身が起こしている想念です。自我そのものが無くなるわけですから、そこには何の心配もありません。
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