今日発生した都内の大規模停電ですが、都内9区(10区, 11区という情報もある)で発生し累計では約50万軒もの規模になりました。
地図作製サイト(リンク)
停電の原因が、埼玉県新座市の電力ケーブルの火災で、炎と煙が換気口から出ていたのですが、その場所はこちら。
なんかやばい
新座の火事 pic.twitter.com/H5EUaJKCEO— 荒川水系の釣り人 外来魚ハンター (@turisaitama) 2016年10月12日
埼玉の火災でなぜ東京が停電するのか?普通の人にはちょっと分りにくいかと思います。私は電気工学科・電子工学科出身なので、その辺りの事情を説明します。
分りやすく解説するために、東京電力の送電網図を元に簡略化した図を作成したので、こちらで説明します。
東京都内で使用される電気は、ほとんどが他県で発電しています。長野・新潟・茨城・福島・千葉などの発電所から長い送電網を通じて送られてきます。
そのための送電網が500kV(50万ボルト)送電網で、図では太い線で描いています。そして、丸で書いているのが変電所です。
500kV送電網から先は、275kV(27万5千ボルト)送電網になり、細い線で描いています。23区の変電所の場合他の二つ以上の変電所に繋がり、何処かの送電網が使えなくなっても迂回送電できるようになっているのですが、説明の為に上図では省略しています。
詳しくは東京電力のこちらのページを見てください(リンク)
今回埼玉県新座市にある変電所から、都内の豊島・練馬変電所に送る電力ケーブルがトンネル内での火災で使えなくなってしまいました(赤丸部分)そのため、新座変電所からの送電が止まり、豊島変電所・練馬変電所から電気を送電している都内各所で停電になっています。
停電になると他の変電所からの迂回送電することで、復旧させます。
私たちが電柱で良く見かける変圧器は6600Vの送電網で、こちらの送電網は支線であり、また工事や台風などによる被害を受けやすいので、早く復旧できるように対策がされているのですが、幹線の275kVもの高圧の電気を迂回送電するためにルートを切り替えるのは、他の変電所つまり電気を使っている家庭や事業所への影響が出ないようにする必要があるので、簡単すぐ切り替わるというものではないため、復旧に時間が掛かっています。
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