関東、特に東京都心に住む人にとっての心配事というと地震があります。
関東大震災は約70-80年周期で来るということが言われており、そのために東京に住むのを嫌う人もいます。
でもかつての関東大震災の最大震度を記録したのが東京ではなく、神奈川(鎌倉-藤沢)地域であることを知っている人は少ないと思います。
※上記の画像はこちらから引用しました。
鹿島建設 Montly Report 2003 Sep
特集:関東大震災を知る
http://www.kajima.co.jp/news/digest/sep_2003/tokushu/index-j.htm
関東大震災で東京が注目される理由は、人口密度が高いことによる災害密度の高さです。
しかし上図を見てもわかるとおり、震度ということでは小田原~鎌倉の方が高い震度を記録しています。
「東京は地震があるから」という理由で神奈川に住んでいる人もいますが、それはあくまでも印象を元にした判断でしかありません。
もっとも、次の地震がこのようになるという保障はないので、あくまでも前回の地震がどうであったかということを確認するという意味で見てください。
関東地震のことを調べていたら、こんなページがありました。
Hi-net 高感度地震観測網 > 地震の基礎知識 > 7.3 地震の周期性と活動期・静穏期
http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/sec7.3.html
要約すると、
地震発生には活動期・静穏期という周期性があると言われており、関東地震については、現在静穏期に入っていると考えられ、次の大きな関東地震はまだしばらく先になると思われる。
ただし、大地震の前兆と考えられる直下型地震については、規模が小さいものの局地的な被害を出すこともあり、注意は必要。図7.14 最近400年間に,東京(江戸)が震度5または震度6になった地震の時系列.右端は関東地方下の地震エネルギー蓄積状況を模式的に示す
http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/PNG/fig7.E.png
ということです。(地震研究については、まだまだ未解明なところもあるので注意は必要です)
詳しくは以下のページを見てください。
Hi-net 高感度地震観測網 > 地震の基礎知識とその観測
http://www.hinet.bosai.go.jp/about_earthquake/1stpage.htm
こちらのページは多少専門的な話もでますが、地震についてきちんと分かりやすく説明されており、地震について理解したい人にお勧めのページです。下手な本を読むよりずっと分かりやすく、きちんと書かれています。
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この記事は地震の恐怖を与えることが目的ではありません。
地震も含めた自然災害に対する心構えを作るきっかけになることを願っています。
阪神淡路大震災や熊本地震を見るとき、「自分の土地には地震はないだろう」という心の緩みが被害を大きくしているということがいえると思います。
日本は全国いたるところに断層があり、これまで地震がなかったから安心ということを言える場所もありません。
東京や東海地方の場合は、「地震が起きる」ということが常に言われており、地震がおきることを前提とした街づくりや行政が行われています。
一方それ以外の関東の地域ではそのようなことを前提とした街づくりや行政はあまり行われていないように思えます。
これまでの経験から言えば、「近い将来において、地震が起きる」という意識のない土地で起きた地震は被害も大きくなる傾向が高いです。
この記事を機会として、もし地震が起きたらどうするのかを考えることで、心構えをつくり、災害対策への準備をすることのきっかけになればと思います。
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では、関東大震災が来るのかどうかというと、地球との対話で見る限りでは、少なくともこの先数年のスパンにおいては、そういうことはないように思えます。
とは言え、未来というのは確定しているものではありませんから、もし起きても大丈夫であるという、まず第一に心の準備、第二に地震に対する備えをしておくことは大切です。
※参考
Hi-net 高感度地震観測網
http://www.hinet.bosai.go.jp/
NIED 独立行政法人防災科学技術研究所
http://www.bosai.go.jp/
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