2011年を読み取る【基礎知識編】 その2

2.暦の区分

(1)自然暦/原始的暦法
文字・数字が存在する以前の暦として、口伝で伝わるものが多い。季節・植物の成長や動物の動き、太陽の日照時間の長短をベースにしているものが主流。
一例として、アイヌが使っていた暦を取り上げる。
狩猟・農耕生活が主体になるので、自然のリズムを表現した暦になる。暦は、3月ごろから始まる。数字の月数は、現在の暦との比較のため記載している。
3月 「祝い日」または「日がそこから長くなる月」
4月 「鳥が出て鳴く月」
5月 「ひめいずいを取り始める月」
6月 「ひめいずいを盛んにとる月」
7月 「はまなすを取り始める月」
8月 「はまなすを盛んにとる月」
9月 「木の葉の初めて落ちる月」
10月 「木の葉が盛んに落ちる月」あるいは「鮭の来る月」
11月 「足の裏が冷たくなる月」
12月 「たいまつで魚を取る月」
1月 「弓が折れるほど狩をする月」
2月 「海が凍る月」
閏月 「あともどりする月」
※「日がそこから長くなる」という表現や、「閏月」があることを見ると、春分の
日を暦の起点の日とした、太陰太陽暦かそれに準じたものではないかと考えられる。

(2)太陽暦
太陽暦(たいようれき)は、地球が太陽の周りをまわる周期を元にして作られた暦。
地球の公転周期はおよそ365.24日になるので、暦と天体の動きにずれが出ないように、約4年に1度閏日を入れて補正が行われる。
太陽暦は太陽の動きのみに着目した暦であるため、月の運行とは一致しない欠点がある。
現在、多くの国で共通の暦として用いられているグレゴリオ暦は太陽暦になる。
グレゴリオ暦は古代ローマに起源をもち、公転周期の誤差を補正したもの。
※グレゴリオ暦における閏年になるかどうかの正確な定義は以下のとおり
西暦年が4で割り切れる年は閏年とする。
ただし、西暦年が100で割り切れる年は平年になり、
さらに、西暦年が400で割り切れる年は閏年になる。

(3)太陰暦
太陰暦(たいいんれき)は、月(太陰)の満ち欠けを基準にして作られた暦。
月の満ち欠けの1周期は平均して29.530589日(平均朔望月)となっている。
※朔望:月の満ち欠けのこと、新月を朔と呼び、満月を望と呼ぶことから。
太陰暦では、新月(朔)の日を月の第1日目に合わせることにしているが、周期が30日より若干短いため、大の月(30日)、小の月(29日)を配分して調整している。
地球の公転周期はおよそ365.24日であるが、太陰暦でこれに近いのは12か月(約354日)なので、12か月を以て1年とするため、太陰暦の1年は太陽暦よりも約11日短いことになり、暦と季節の間にずれができるという問題があるため、あまり使われていない。
イスラム社会では、ヒジュラ暦という太陰暦が使われているが、グレゴリオ暦も併用されていることが多い。

(4)太陰太陽暦
太陰太陽暦(たいいんたいようれき)(または太陽太陰とも)は、一般には旧暦のことを示すことが多い。
太陰太陽暦は、太陰暦すなわち月の満ち欠けをベースにし、太陰暦では不可避となる実際の季節とのずれを閏月を挿入することで補正した暦。
太陰暦では、1年が354日であり、太陽暦の365日に比べて11日ほど短くなる。そのため、概ね3年に1回(正確には、19年に7回)閏月を挿入することでずれを解消しているが、これは単に数字合わせということだけでなく、実際の季節感とも合っている方法である。
太陰太陽暦は、古くはローマ暦として西洋でも使われていたが、太陽暦のユリウス暦となり、現在はグレゴリオ暦に移行している。
東アジアでは季節感との相性もよいため太陰太陽暦が広く使われていた。太陰太陽暦は、月のリズムと太陽のリズムをうまく調和させた暦である。

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