雪対策の費用対効果

地震・気象

関東地方で雪が降ると、交通機関が止まって、雪の多い(北陸・東北・北海道)地方の人が、「この程度の雪で・・・」ということを言うというのは、毎年のことですが、雪対策というのは費用対効果を元に予算が組まれています。

ここでは、関東地方の人が、雪の多い地域の人に説明しやすいように、なるべく単純化して考えます。

まず、交通機関を雪対策しない状態にしたら、1年のうち雪で一般交通機関が止まる日数を考えてみます。

関東:1~2日
北陸・東北・北海道地方:2~3か月

ということで、それぞれの地域において、雪対策に掛けることが効果的な年間予算比率を、費用対効果で単純に考えると、

関東:年間予算のうち、1/365 ~ 2/365 = 0.3% ~ 0.5%
雪が多い地方:年間予算のうち、60/365 ~ 90/365 = 16% ~ 24%

なので、関東地域では、雪が多い地域に比べると、積雪対策に使える効果的な年間予算規模の比率がはるかに少ない(約1/50)ということです。

さらに、雪の多い地方では、交通機関が止まる日数が長く、経済へのダメージが非常に大きいので、対策せざるを得ないということになりますが、

関東のように交通機関が止まる日数が1~2日程度である場合は、下手に降雪対策するよりは、1~2日の交通機関が止まる時期をやり過ごす方が、結果的に費用対効果が良いということになります。

また、関東地方のように、年中渋滞が激しい地域においては、1年のうちの数日の雪対策より、渋滞対策の方が重要になるので、予算もそちらに多く使われることになります。

ここまでは、自治体の降雪対策予算で考えてきましたが、これは個人の雪対策に掛ける費用という意味でも同じです。

関東地方の人が降雪対策に掛けることを考える費用の比率も、同じく雪が多い地方に比べると、約1/50と考えると、関東の人が雪に弱い理由も分かります。

コメント

  1. うっとおしくもあり、自慢の田舎の話が嬉しくもあり より:

    雪国の人間として一言。
    「この程度の雪で・・・」とは、関東の人間が我々に言わせているんです。
    「この程度の雪でって思うでしょ」「雪国育ちの貴方ならこの程度で電車止まるなんて笑っちゃうでしょ」
    私もさんざん言われました。その都度否定も面倒で、肯定してました。
    今年の雪では青森出身の新人が午前中だけで4人に同じこと言われてました。課に7人しかいないのに。
    挨拶と同じで、我々も関東の人にはそう言うのがマナーのように感じてしまうのです。
    あまりにもそう言われるから。
    会話しないより天気の話でもした方がマシだろうし受けもいいしという感じです。
    よほどの子供でテレビの言うことを丸呑みにしている人でもない限り、本心からは思っていませんよ。
    ちなみに国鉄からJRになって対策費用が削減されたらしく、電車は昔よりよく止まります。
    対策しているから対応できているってことは雪国の人間もよくわかっています。

  2. 八雲 より:

    うっとおしくもあり、自慢の田舎の話が嬉しくもあり さん
    この記事を書く発端は、Twitterでの会話で、福島の人が、東京発のTVニュース見て「またかよ!」という趣旨の発言していたからです。
    TVニュースは東京にキー局が集中しているので、番組内容も東京に居る人の視点になっているので、内容によっては、地方ではかなり違和感があります。
    田舎の岡山でTV番組を見ていると、「高円寺の裏商店街探訪!」なんて番組も流れてきます。関東で見るなら、面白いと思うのですが、岡山で見ると、違和感バリバリです(笑)
    東京に居て、マスメディアだけを見ると、東京のことしか分からなくなってしまうというところがありますね。

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