放射線の記事が多いですが、これには理由があって、神社めぐりなどの屋外系ワークショップを本格的に再開するにあたって、放射線量がどのレベルであれば開催が可能あるいは不可能と判断するのかという基準を作るためには、実際に線量を測ってみたり、国内・海外の自然放射線量のデータを集めたりすることが必要なので、色々と調べているところです。
調べてみると、国内でも自然放射線が0.1μSv/hを超えるような場所がありますし、
日本地質学会 > 日本の自然放射線量
http://www.geosociety.jp/hazard/content0058.html#map
海外の例をみても、ローマ(0.25μSv/h前後)、モスクワ(0.17~0.20μSv/h)など高い線量が日常的な場所もあります。
フランスだとこちらの記事が参考になりますね。
おフランス 嫁入り日記 > フランスの放射線量
http://francelife.linkulblog.net/e130410.html
フランスの放射線量
http://www.linternaute.com/actualite/societe-france/radioactivite-france/toutes-les-villes.shtml
RADEX RD1503のアラーム設定が、0.3μSv/h以上(0.3, 0.6, 1.2に設定可能)となっているのも、
RADEX RD1503英文マニュアル
http://www.quarta-rad.ru/en/manuals/RD1503EN.pdf
そういった実情を踏まえた設計になっているのではないかと思います。
また、公立の学校などでは、空間線量が0.3μSv/h以上になれば、野外活動は行わないというのが、基準の一つになっているようです。
学者さんなどの意見では、「どんなに低線量でも危険がある」ということを言っている人がいます。確かにそれは学術的には正しいと思いますが、危険がどのレベルであるのかを確認する必要があります。
危険度が受容できるほど低レベルならば、私たちの現実として自然+人工の放射線が存在していることを受け入れていかないことには、生活が成り立たなくなってしまうということも考えておく必要があります。
また、被爆というのは、外部被爆と内部被ばくを合わせて考える必要がありますが、現実的にリアルタイムで測定できる手段となると、空間線量になるし、α線やβ線も含めて測定するのには、それなりの測定器も必要となって、あまり現実的ではない。
それらを考えるとγ線の空間線量を安全性の判断の目安にする(=絶対的ではない)のが現実的な方法だと思います。
ということで、大人が参加するワークショップの場合そこに長時間滞在するわけでもないので、γ線の空間線量で、0.2-0.3μSv/hが判断する一つの目安になるのではないかと考えているところで、ワークショップを計画する段階では、公的機関などが測定した値も参照しますが、それらはワークショップでは使わないような場所で測定していることもあるので、ワークショップでは実際に測定器を持ち歩きしながら、安全を確認するという方法が必要かと思います。
(参考)
東北大学 流体科学研究所 融合流体情報学研究分野 大林・鄭・下山研究室
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/edge/
世界主要都市の放射線量[参考](2011/09/08)
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/edge/radiation/Amount%20of%20radiation%20around%20the%20world%20sep%2008,2011%20JP.pdf
※上記の資料のロンドン、ニューヨークの値は、間違えている可能性があるので調査中
時系列で並べてみると、値が大きく変化している。
2011.5月現在
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/edge/radiation/Amount%20of%20radiation%20around%20the%20world%20may%201,2011%20JP.pdf
2011.5月30日現在
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/edge/radiation/Amount%20of%20radiation%20around%20the%20world%20june%2001,2011%20JP.pdf
2011.7月11日現在
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/edge/radiation/Amount%20of%20radiation%20around%20the%20world%20july%2011,2011%20JP.pdf
2011年9月8日現在
http://www.ifs.tohoku.ac.jp/edge/radiation/Amount%20of%20radiation%20around%20the%20world%20sep%2008,2011%20JP.pdf
ロンドンの数値については、こちらの記事がベースになっている。
"0.08 microsieverts an hour"となっているので、0.08μSv/hになる。こちらの数字であれば国連のデータと整合性がある。
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