電力のはなし

東日本大震災

意外と知られていないので、電力の発電と消費について、書いておきます。

現在の電力送電網では、電力を貯めておいて使うということができません。
揚水発電というものもありますが、電力発電量の総数から言えば少ないので、ここでは揚水発電を除外して話をします。

そのため、発電と電力消費の関係については、

発電力 > 電力消費

であれば、問題がありません。
しかし、今回のような状況では、

発電力 < 電力消費

という事態が、特に夏には起こり得る状態です。
こういう状態になると、何が起きるかがポイントです。

発電力 = 電力消費

であれば、大きな問題はなく、電力消費のピークを乗り切ることができますが、

発電力 < 電力消費

になると、発電設備としては、発電量以上の電力を供給することはできません。
発電する能力以上の電力を要求された場合、そのまま提供すると、発電設備や配電設備が損傷してしまいます。
そのため、発電量以上の配電を要求された場合、発電・配電の設備を守るために、発電所は、配電を停止することになります。
つまり、停電になるということです。

この停電は、いつおきるか、わかりません。
あくまでも、発電量と電力消費量の関係でおきるため、電力供給側からは、予測ができません。
こういった事態を避けるために行われてきたのが、計画停電です。
なので、今回の事態で大切なのは、突発的な停電を避けることで、そのための節電です。

この話を読めばわかるとおり、節電するのは、電力供給量が下がっていることも要因ですが、突発的な停電を避けることが一番の目的です。

節電を呼びかけた当初は、東京電力の供給量と消費量のデータが一般公開されていなかったので、「とにかく節電してください」だったのですが、現在では、東京電力やヤフー、新聞のサイトなどで、供給量と消費量の値がわかるので、その数値を見て考えることが大切です。

つまり、供給量に対して消費量の関係が、80%程度であれば、無理な節電をすることは意味がありません。
もちろん、節電をすることで、無駄な電力消費を削減することは、将来を考えても意味があることです。
提供されているデータはタイムラグがあるので、それを加味して考えると、80%を超えたら、節電して、突発停電が起きないようにする必要があります。
しかし、それ以下の数値の場合、無理な節電をする必要はありません。

節電をするときには、なぜ節電をしているのかということを、正確に知ることが大切です。

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