4.冬至から春分まで
ここまで述べたとおり、新年1月1日をいつとするのかについては、様々な考え方があります。なので、単にグレゴリオ暦だけで見るのではなく、冬至や立春なども含めて様々な観点から見ることが大切になります。以下では、冬至から春分までの期間について補足説明します。
(1)クリスマス
12月25日はクリスマス(キリストの生誕祭)ですが、この日はキリストが「生まれた日」ではなく、キリストが「生まれたことを祝う日」です。
キリストがいつ(何月何日)に生まれたのかは聖書に記載がなく、いつになるのかについては様々な説があります。
12月25日はその当時の暦では冬至にあたり、冬至は太陽の力が最も弱くなる季節であり、またその日から太陽の力が増していく日でもあることから、一年の始まりとされており、それをキリストの生誕に結びつけることから始まったものです。
その後暦が改定された結果、12月25日は冬至ではなくなっていったのですが、12月25日をクリスマス=キリストの生誕の日として扱う風習はそのまま残りました。
(2)元旦
日本においてグレゴリオ暦を導入する前は、太陰太陽暦(旧暦)を使っていたため、元旦は、概ね2月ごろの立春の前後のころになる。そのため、寒さも和らぎ、春を迎えるという意味で、年賀に新春という言葉を使っていたが、グレゴリオ暦導入後もその言葉だけが残っているため、1月の寒い時期にもかかわらず、謹賀新年・新春という言葉を使うことになっている。
(3)節分
節分とは文字のとおりで、「季節を分ける」という意味がある。本来の意味では、各季節の始まりの日(立春・立夏・立秋・立冬)の前日のことを意味しているのだが、前述のように、立春を1年の初めと考えることから、春の節分が重視されることとなっている。
つまり、節分の行事というのは、立春が新年とするなら、大晦日に該当するわけで、新年を迎えるために、その年の邪気を祓ってしまうための追儺(ついな)の行事が元になっています。
追儺は、平安時代から行われている旧暦大晦日の宮中行事であり、鬼払いの儀式です。
最近関東にも浸透してきた恵方巻きは、節分の夜に行うものなので、こちらも本来は大晦日の行事ということになります。つまり来年が良い年になるように、願を掛けるということです。
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