Pluto Transit

天体・占星術

2004年に2008年のことを書いた記事ですが、2012年と関連するので、こちらに再掲しておきます。

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1.惑星軌道と黄道(こうどう ecliptic)

下図は太陽系の惑星軌道を図示したもので、太陽系の惑星軌道は、冥王星以外はほぼ同じ軌道面を持っています。

Ecliptic
そのため、地球上で毎年同じ日時で定点観測すると、太陽はほぼ同じ場所に位置するのにたいしてそれぞれの惑星は同じ軌道上を移動していくように見られます。 それを黄道と呼び大体以下の図のような場所になります。 1982
上図は東京から見た1982年1月1日12:00の天体図で、実際には太陽しか見えないのですが、今回のPluto Transitの説明の為に太陽以外の惑星の位置も表示してあります。

それぞれの惑星が太陽の周りを一周するのに要する年数を公転周期と呼びますが、太陽系の惑星の公転周期は、以下の表のようになります。

惑星 公転周期(年)
水星(Mercury)  0.240852
金星(Venus )  0.615207
地球(Earth)  1.000000
火星(Mars)  1.880866
木星(Jupiter)  11.86155
土星(Saturn)  29.53216
天王星(Uranus)  84.25300
海王星(Neptune)  165.2269
冥王星(Pluto)  248.6452

水星から土星までは、公転周期が短いので占星学では人の人生のそれぞれの局面を読むのに使われます。一方で、天王星・海王星・冥王星は人の人生の長さよりも長い周期を持っているので、これらの三つの惑星と水星から土星までの惑星とのアスペクトで読み取っていく事になります。

一方で、長期に渡る社会の大きな流れを読むときには、公転周期の長い惑星の動きを読むことが大切になってきます。

2.惑星の持つ意味合い

冬至のページでも書いてありますが、天体的には冬至が一年のスタートとも言える日になるので、冬至の天体配列を使って、長期的な流れを読むという方法を使います。天王星・海王星・冥王星が持つ占星学上の意味合いはそれぞれ、以下のとおりになります。

天王星:突然の変化、改革、革命、発明、放送、エレクトロニクス

海王星:見えないもの、夢、想像力、未知、深層意識、時代精神

冥王星:物事の根底からの変化、集合的無意識、始めと終わり、強制的変化

長期的なものになるので、これらの天体が太陽をTransitする(天体同士がすれ違う)ことによる影響は、Transitが起きる前後2年ぐらいの範囲で影響が出ます。

3.Transitとその影響

1984年 海王星が太陽を通過(Neptune Transit) 198412221200
1983年 インターネットが定義される
軍事機関であるARPA(アメリカ国防総省高等研究計画局)が分散ネットワークの研究を行っていたARPAネットのプロトコルとしてTCP/IPが正式に導入。 TCP/IPプロトコルで接続されたネットワークをインターネットと定義。

1983年 ARPAネットが独立
ARPAネットが、ARPAから独立して大学間の研究の為のネットワークになり、民間に解放される。これ以降インターネットの発展・普及が加速度的に広まっていく。

1984年10月 JUNET登場
日本における最初のインターネットともいえるJUNET(ジュネット)がスタート。

1985年 Windows登場
マイクロソフトのWindows Version1が誕生。本格的な普及は Version 3.1からになる。

ネット時代の幕開けともいえるのがNeptune Transitです。 そして、インターネットにより世界中の情報を誰もが手に入れることができるようになり、人々の意識が物理的な制限を越えて世界レベルに広がって新しい時代の意識が生まれてきていると言えると思います(ネットゲームなどはその典型ですね)。

※通常インターネットのような通信・エレクトロニクスというと天王星を指すので、ちょっと解釈に無理がある感じもするのですが、海王星は時代を支配するものが変化する(石炭から石油へ)といった具合に人々を支配するエネルギーや体制が変わっていくということを考えると、現在は全てがネットワークで処理されるネット時代に突入しつつあり、時代の見えない支配者としてのインターネットという見方もできると思います。

1987年 天王星が太陽を通過(Uranus Transit)198712221200
1987年1月 ペレストロイカのスタート
ソ連共産党書記長となったゴルバチョフが、政治改革と経済改革の双方を柱とするペレストロイカ(「建て直し」、「改築」)を提案。ペレストロイカは、グラスノスチ(情報公開)とともに進められ、これは東欧諸国の民主化、ソ連の崩壊に繋がって行く。

1989年11月9日 ベルリンの壁崩壊
東西ドイツを分断するベルリンの壁が崩壊。翌年には東西ドイツの統一が実現。

1989年1月7日 平成時代始まる
昭和天皇崩御により、明仁親王(あきひとしんのう)が即位し、平成と改元。

1991年 ワールドワイドウェブ(WWW)の開発
以降インターネットの主流となるワールドワイドウェブ(WWW)が開発され、爆発的に広がる。

ベルリンの壁の崩壊は誰しもが驚いたことでした。これほど早く東西の壁がなくなってしまうとはその時は誰も思っていなかったことです。まさに、天王星(Uranus)の突然の変化、改革を引き起こしたのがUranus Transitです。

4.Pluto Transitとその影響は?

2008年 冥王星が太陽を通過(Pluto Transit)200812221200
占星学において未来を予測できるのは、その背景となる星のエネルギーがどうなるかということであって、具体的な事柄を予測するというのは難しいところがありますが、できる範囲で見てみましょう。

冥王星(Pluto)が意味するところは、「物事の根底からの変化、集合的無意識、始めと終わり、強制的変化」ですから、2008年を超えると人々が望む望まないに関わらず、社会は根底からの変化を経験することになります。

参考文献等

書籍:
天文年鑑(誠文堂新光社)
Stargazer for Windowsではじめるパソコン占星学(技術評論社)

ソフトウェア:
占星術支援ソフトウェアStargazer
Stella Theater
太陽系シミュレーター
マイクロソフト・エンカルタ

コメント

  1. Amano-Joke より:

    87年や84年は日記や手帳をつけてる習慣がなくて、遠くてはっきりしないんだけど、08年はまだ[E:coldsweats01]憶えてます。
    すごい1年でした。まさに「強制的」で逃げようがなかった。

  2. sumie より:

    ★冥王星、プルート、プルトニウム…
    ですね。
    個人的にも2008年以降まさに足元から揺らぐ感じで『望む望まないに関わらず、根底からの変化を経験』しています…(-o-;)

  3. 桜咲く春 より:

    あの人生の転換期を指折り遡ると。
    何てことでしょう! 2008年ではないですか。
    周囲を責め、自分を責め、もがき、更に傷つき苦しんだけど、
    どんなに手を尽くしても逃れられないこと、と
    思うと 気が楽になります[E:note]。
    今度 荒波が来た時は[E:wave] 抗うことなく受け入れますね。

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