般若心経は、仏教において最も端的にこの世界の成り立ちを現したものですが、その中に「色即是空」「空即是色」という有名な一節があります。これを理解することが難しいと言われていますが、それは理解が難しいのではなく、理解不能なのです。
「色」という物質的現象は、「空」から投影されている、つまり「見かけ」だけが存在しているわけです。もちろん、この見かけには五感も含まれます。
大部分の人は、この見かけである物質的現象こそが現実であるという思い込みがあります。
つまり、見かけという投影されたものを信じている人は、物質的現象が現実であり真実であるという思い込み・考え方を無意識的に持ってます。これは「科学的立場」とも呼ばれます。
「空」は、物資的現象を生み出し投影した源ですが、物質的現象とは全く異なった現象であり、現実です。ですから、「科学的立場」の考え方を使って「空」を知的に、あるいは思考的に理解しようとしても、それは不可能なことです。
重要なのは「空」を直感的に見ることです。
なぜ直感的に見ることが出来るのかというと、そもそもあなたという存在は「空」であるからです。
物質的現象を見るという行為の視点を反転させていくと、やがて源である「空」に辿りついてしまうのです。
「空」を直感的に見ることなしに、「空」を理解することは不可能です。
ダグラスハーディングの実験が面白いのは、とてもシンプルな方法でこの「空」を見つけ、見るということが出来るということです。
最初は、「科学的立場」の無意識的思考があるため、なかなか見ることが出来ないというのが通常ですが、何度か行っていくと、ある時突然それを見ることが起きます。
そうして「空」を見ることが出来るようになると、「色即是空」「空即是色」は突然理解されてしまうということが起きます。
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