諏訪大社は、長野県諏訪地域にある神社です。
諏訪湖を挟んで上社二社(前宮・本宮)、下社二社(春宮・前宮)の四社で一つの神社という珍しい形式を持っています。
諏訪大社の御祭神を調べると、建御名方神 (たけみなかたのかみ)と、八坂刀売神 (やさかとめのかみ)と書かれることが多いのですが、諏訪大社の公式ホームページ(リンク)には、この二神が記載されていません。
諏訪大社の御祭神はそもそもは建御名方神と八坂刀売神ではなく、自然信仰/精霊信仰のミシャクジ信仰です。
ミシャクジは文献が少ないため、学問的には正当な御祭神として扱われていないのですが、諏訪地域の神社の分布を見れば、どちらが諏訪大社の主たる御祭神であるかは明確です。
この図は、日本各地の神社を包括する法人である、神社本庁の公式神社データベースを使って作成しています。
赤いマーカーが諏訪大社、オレンジ色のマーカーがミシャクジを祀る神社、青いマーカーが諏訪神社、他の色はその他の諏訪に関わりがある神社です。
諏訪地域にある神社は、ミシャクジを祀る神社が主体であるのは、一目瞭然ですね。
ミシャクジという名前は、漢字の当て字として御社あるいは御射などが使われており、そのためミシャクジを祀る神社は、御社宮司社、御社山社、御射山社などの名前で呼ばれています。その後仏教が中国経由で輸入され、諏訪の神様は諏訪明神と呼ばれるようになっていきます。
なので、地元では「諏訪の神様」、「お諏訪様」、「諏訪大明神」という呼ばれ方が主体であり、建御名方神と八坂刀売神の影は薄いのが実体です。
時代的には、縄文時代にミシャクジ信仰が諏訪大社に確立したのち、弥生時代になって建御名方神と八坂刀売神も祀られるようになったようですが、諏訪の人達からすれば建御名方神と八坂刀売神は外来の神であるので、ミシャクジ/諏訪明神の信仰のほうが主体です。
(参考)
古代史ミステリー 「御柱」 ~最後の“縄文王国”の謎~
http://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20160626
コメント
私も、ミシャクジだと思っています。
ミシャクジとタケミナカタのあいだに、モリヤ山あるいは、モレヤがあるのではないでしょうか。現人神は、ちょっと置いておいて。
上社と下社では、ゼンゼン、違いますが、誰がムリヤリひとつにしたか、それに、中央構造線の上ということと、御神渡のことを考えると、さらにおもしろいです。
ミシャクジ系の神社には、諏訪大社と同じく
御柱があるところが見られました。
昨年、八雲さんが、御柱祭のときの
諏訪地域のエネルギーに触れながら
記事を書かれていましたが、
こちらの記事を拝見しながら
さらに納得したところです。
> 辰巳さん
> おとぎバナナさん
順番としては、
ミシャクジ>モレヤ>先宮の神>タケミナカタ
になると思います。
御柱についてはミシャクジの時代に成立していたと思うので、タケミナカタが諏訪に来る前に既にそれがあったのだと考えています。
先宮の神については、まだブログやホームページには書いていませんが、諏訪に行った時は先宮にも参拝するようにしています。先宮については、こちらのページが詳しいです。
先宮神社・鷺宮明神
http://yatsu-genjin.jp/suwataisya/sanpo/sakimiya.htm
先宮神社と新海神社
http://yatsu-genjin.jp/suwataisya/sanpo/sinkai.htm
順番についてありがとうございました。
先宮神社にお参りした際、
女神のお名前だったので
ミシャクジかモレヤかの親族かな?と
感じていたところでした。