国道17号線沿いにある、新潟の温泉で、「目の温泉」とも言われています。
国道17号から西に曲り、車一台分の細い道を下って通って行くと、川に橋が掛かっているのですが、これも車一台の幅しかなく、そしてその先の道は、河川側にはガードレールもない(転落注意!)ような車が対向できない細い道を進むと、貝掛温泉があります。
「日本秘湯を守る会」といっても、知らない人も多いかと思います。
一言で説明するのは難しいので、少し長くなりますが、日本秘湯を守る会のHPから以下に引用(改行位置は、一部変更)させていただきます。
ずいぶん山の中で不便な思いもしました。冬は交通が途絶えたり食糧の確保すら難しい時代が長く続きました。いっそのこと山を降りてどこかで観光旅館でもと考えたこともしばしばでした。しかし、長年にわたってお訪ね下さるご常連のお客さまや、先祖が守ってきた温泉のことを思うと去ることも新築することにも頭をかかえました。〝残してくれ〟〝古くさい建て直せ〟そんなお客さまの声を自問自答しながら生きて参りました。
私どもの宿では、草一本、石ころひとつにも皆さんとの血が通っているように思われてなりません。古いものや自然環境を残そうと、今日まで言うに言えない苦労も致しました。
おかげさまで、昨今はそれだから来たんだよとおっしゃるお客さまが多くなり、古さを守るという生きがいすら覚えるようになりました。有難いことだと思っています。
山あいの古いボロ屋ですが、昔ながらの木の湯にひたり、〝宿の夫婦が摘んだ山菜の味でよい、炉ばたでおやじ語ろうよ〟と、おっしゃる皆さんのためにいつまでも生き続けたいと念願しております。
雪どけの道をお帰りになったあのお客さん、無事に国道まで出られたかしら……、そんなことを気にしながら今宵もまた訪ねて下さった都会の方々に山の暮しのおしゃべりを続けて参ります。 《日本秘湯を守る会ホームページ http://www.hitou.or.jp/ 》
冬は雪深い南魚沼地方なので、関越道や上越新幹線などが通っていない昔であれば本当に、秘湯と呼ばれるような場所だったと思います。今は東京から3時間もあれば貝掛温泉に着くので、日帰り入浴もできます。
日帰り入浴は、宿泊客優先の時間設定で、入浴受付は、午前11:00~午後14:00となっているので、注意が必要です。また午前中は浴場清掃をしていることもあります。
ここの温泉は、温度が37度と低いぬる湯なので、ゆったりと長い時間浸かるのがおすすめです。温泉のタイプとしては、リラックス系の方になり(反対は、活力系)、暑い夏に疲れた体を癒すのにおすすめです。
また、ここは「目の温泉」として古くから知られているのですが、温泉の成分と現在売られている目薬の成分が非常に似ており(濃度は目薬の方が高い)、目薬の無い昔であれば、まさに「目の温泉」と言えます。
温泉のタイプですが、タイプを知りたい場合は温泉番付が参考になります。
温泉番付(ウィキペディア)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A9%E6%B3%89%E7%95%AA%E4%BB%98
温泉番付は、温泉の成分によらず、あくまでも効能とその強さ(番付ですから)から作られたもので、医療が現在ほど発達していなかったころ、湯治を目的として作られたもので、湯治するのに何処がいいのか、つまり温泉の効能はどこが良いのかということで書かれています。
なので、上位の温泉ほど温泉本来の身体に活力を与えるということになり、一方で下位の温泉ほど、疲れを癒すものという並び方になっています。
現在行われている温泉のランキングは、あくまでも人気を示しているのに対し、温泉番付は効能を表しているところが違います
建物は比較的最近に建て直したようで、昔風の建物で、浴槽のある建物は、檜(ひのき)の香りがとてもいい感じなので、露天より内湯のほうに長くいたくらいです。
ここは国道から入った一軒家の湯宿なので、他には何もない場所ですが、それゆえに、静かにゆったり落ち着ける場所になっています。
温泉宿の昼食は開いていないところも多いのですが、ここは昼食も充実しています。
籠膳(かごぜん)は、野菜の天麩羅を中心としたもので、滋味のあふれる良いものでした。
新潟の地酒も揃えが良いです。
コメント
私、日本秘湯を守る会の会員です(笑)
まだ、スタンプ10個は、たまっていませんが。
新鮮なお湯の宿ばかり登録されていて、不便でも、また行きたいくなりますね。