マスメディアは、真実を報道するのが役割と思っている人が多いようですが、実態はそうではないことを知っておいた方がいいかもしれません。
新聞・テレビ・週刊誌などの大手マスメディアが、「我々の仕事は真実を報道することである」と言っていたとしても、それを言葉通り真摯に実行している大手マスメディアを日本では見たことがありません。小規模のマスメディアには、それを真摯に実行しているところがいくつか見られます。
大手マスメディアが言葉として言ってはないけれど、実際に行っていることは、“ビジネス”です。つまり、売上・利益が一番優先されます。真実の報道は、売上・利益よりも低い位置になります。
今回の震災の報道を見ていても、それを強く感じます。こういった事態の時に、大手マスメディアがすべきことは、「事実を正確に正しく報道し、読み手がきちんと判断できるようにする」ことであって、いたずらに不安をあおることではありません。しかし震災関連の報道を見ると、見出しで読み手を引き付けるような報道ばかりが目立ち、しかもその見出しも読み手を不安にさせるようなものが大変多いのが事実です。
これは、なぜそういったことになるのかというと、人は安心な情報と不安な情報があったときに、まずは不安な情報の方に注目してしまうという特性があるため、売上・利益を上げようとするなら、不安な情報を沢山流すことの方が手っ取り早いということに起因しています。そのため、報道というのは、安心な情報よりも、不安な情報の方を多く流すことで、売上・利益を得ようとしているのが実態です。
マスメディアは自分自身の組織の存続のために、上層部が売上・利益を重視することが必要であるという側面があるので、そこで働く人たちも上層部の意向に沿ってしまうため、結果的に真実の報道よりも、売上・利益があがる報道の方に偏ってしまうためです。
なので、大手マスメディアが行っていることは、「事実」を報道することであって、「真実」は報道していない、と思って見ておいた方が良いです。
ある大手新聞社のサンゴ事件では、大手新聞社のカメラマンがサンゴに傷をつけて、それを報道したという事件がありました。サンゴに傷があるのは「事実」ですが、報道内容は「真実」ではありませんでした。いわゆる週刊誌などになると、こういうことは頻繁にあります。
なので、我々は自分の為に、複数の異なるマスメディアを見て、比較し、本当のことは何かを自分で確認するということをする必要があります。
その時に、判断として、内容が不安をあおるものなのか、それとも冷静に事実を報道しているのかを見分けて行くことが、自分を守ることに繋がります。
コメント
人は安心な情報と不安な情報があったときに、まずは不安な情報の方に注目してしまうという特性があるため
まず不安に注目するのは、自分の身を守る防衛行動からだと思いますが、
そこで冷静に判断していくことが大切なのですね。
それから、注目される記事というのは、
極端な内容で、悪い意味で強い感じを受けることが多いような気がします。
だから目立ちますし。さらに欲に訴えかけてくるものもあります。
私のような凡人にはなかなか難しいですが、
それぞれの過剰な我的なものがひっかからないように
無心でいること(or 透明でいること?)の大切さを改めて感じます。