エステー エアカウンターS

東日本大震災

簡易放射線測定器の在庫も落ち着いてきたようで、一時は本来の十倍もの値を付けていた例もありましたが、最近ではエステーのエアカウンターが発売されてからは本来の値段に落ち着いてきた感じがあります。

ということで、エステーの第二弾のエアカウンターSも購入してみました。

前機種のエアカウンターとの違いのポイントは、

エステー プレスリリース
http://www.st-c.co.jp/topics/2011/000412.html

この家庭用放射線測定器の第2弾となる「エアカウンターS」は、測定感度の性能をアップさせ、現行品の最長約5分の測定時間を最長2分に短縮しました。さらに、計測中に放射線を感知する度にブザーが鳴る機能や、計測完了後には、10秒経過する毎にその直前の約1分間の平均値を表示する機能を新たに搭載しました。

ということで、

・測定時間を短く(最長 5分→2分)
・連続的に測定して表示する
・さらに安く(希望小売価格 15,750円→7,900円)

というのがポイントです。ブザー機能については、それほど実用的ではないので、上記の3点がポイントです。

【使ってみて】

実際に使ってみると、測定数値のばらつきが前機種にくらべると大きいというのが気になります。RADEX RD1503と並べて測定していると、放射線量が、0.07μSv/h前後の時にエアカウンター Sの数値とRADEX RD1503の数値がほぼ同じくらいになる時が時間は短いもののあるというものです。

このあたりは、こちらの記事でも同様の結果が出ており、

エアカウンターSの測定実験
http://sakai4.blogspot.com/p/s.html

値段を考えれば、よく頑張っているとは言え、ちょっと気になるところです。なので、エアカウンターSにおいては、

・20分程度の測定時間を使う
・極端に大きい数値、小さい数値は切り捨てする
・平均値を使う

という使い方をすれば、比較的精度の良い測定結果を得られると思います。

【商品コンセプトの違い】

エステーのエアカウンターとエアカウンターSでは商品としてのコンセプトが異なるので、どちらが良いのかは、買う人が何を見たいのかによります。

・エアカウンター → 特定地点測定志向

最長5分で、1回計測なので、ポイントの測定向き。
自宅周辺のポイントなどの固定点測定向き。
比較的低線量の場所に立ち止まって、正確な数値を測りたい人向き。

・エアカウンターS → 現在地点測定志向

10秒毎に更新で、連続測定なので、現在地の測定向き。
移動中など、今いる場所の測定向き。
今現在居る場所の数値を知りたい、という人向き。

【組合せで考える】

先日相談された例では、「ワークショップを開催するような場合どの機種が良いのか?」という質問でしたが、主催者としては、参加者の被ばくを避けることが必要なので、RADEX RD1503とエアカウンターSの二台持ちを推奨しました。

RADEX RD1503は電池の持ち時間が長いので、ワークショップ開催時間中ずっと測定しっぱなしにすることができる。また、数値設定できるアラーム機能があるので、線量の高い場所に来た時にすぐにわかり、被爆回避ができる。

ただし、低い線量では数値はかなり誤差があるので、数値的には不安が残る。そこでエアカウンターSと併用することで、低線量において数値を確認できる。というものです。

一台でそこまでできる機種は、高価なものであれば存在するが、安価なものは現在のところ見つからないので、二台持ちというのが、現実的な解になるといったところです。

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