日本の神社のうち、東北地方は御山信仰の神社が非常に多く見られるという独特の特徴があります。
しかし近年では、大和王権の勢力が広がるにつれて、御山信仰だった神社が、日本書紀・古事記の神々を祀らなければならなくなって、本来は御山信仰の神社なのに、八幡神社になったり、稲荷神社になったりしているのをよく見かけます。
東北になぜ御山信仰の神社が多いのかは、単に山が多いからだけではなく、里からよく見える場所に活火山が連なっているからのようです。
実際に東北の神社に行ってみると、神社が立っている里から山を遠望できる場所が沢山あり、しかもそれらの多くが活火山になります。
我が国の活火山の分布
火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要な火山
この気象庁による二枚の図を見ると、西日本の出雲から大和にかけては活動的な火山が数えるほどしかないのに対して、関東から北にかけては、活火山が連なっているのがよくわかります。アルプス地域にも活火山が多く存在するのですが、それらの山々は奥深いところにあるので、里から遠望できる山は限られます。
その当時の人達が火山の噴火を目の当たりにしたとき、それを神の現れとみなすのもごく自然なことです。それ故に東北地方においては、山岳信仰の神社が多いということになるのでしょうね。
(図版引用元)
活火山の他、休火山、死火山についての解説もあり、参考になります。
気象庁 活火山とは
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/katsukazan_toha/katsukazan_toha.html
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