安価な測定器は高目になりやすい

東日本大震災

放射線量測定の週刊誌の記事などについては、注意する必要があります。
測定に使った測定器がどこのメーカーのどのような機種であるのかを明示していない記事、さらには測定時の方法について明示していない記事については、数値が高い方向に出る可能性があります。

ここでは、測定器メーカーの立場に立って考えてみます。ここで考えるのは、まっとうな測定器メーカーで、今回のような状況に乗って金儲けしようとするようなメーカーは省きます。
まっとうな測定器メーカーが考えるのは、測定リスクになります。

【その1】
測定器の値が実際よりは低く出て、測定器を使った人が被爆してしまい。その人たちから訴訟されるリスク。

【その2】
測定器の値が実際よりは高く出て、測定器を使った人たちが不安になって、避難などをすることで、訴訟されるリスク。

簡単に考えても、これらのリスクが想定されます。(いい加減なメーカーは、どちらのリスクもあらゆる手段を使って回避するので、ここでは想定していません)

まっとうなメーカーの場合、どちらのリスクを重視するかということになります。
メーカーとして、リスクの大きさを考えた場合、

その1 >> その2

となります。
というのも、その1では、健康被害が出てくる可能性があり、その原因は測定器になります。一方でその2では、被害があったとしても測定器だけに限らず行政などになるので、メーカーのみのリスクにはなりません。
そのため、メーカーとしては測定器を作る場合、その2の方になる方を選択するので、測定器そのものが持っている誤差を、高目振るようにすることになるという傾向があります。

高価な測定器の場合は、きちんと公正をしているので、正確な数値を表示できますが、安価な測定器の場合は公正がなされていないものが多いので、誤差が高目になる傾向があります。

放射線の場合は、温度や湿度と違い、身体的に感知できないため、測定器の誤差を感じられないというところがあります。

放射線量の測定の時に、放射性物質が測定器に付着すると、とうぜん高い数値になってしまいますので、そういった測定時の注意点などについては、十分な考慮が必要なのですが、上記のような記事の場合、それらが十分考慮されているのかが明確ではありません。

なので、放射線量測定の記事を読む場合は、測定器がどのようなものを使っているのか、また測定方法がきちんとしているのかを確認することが必要です。

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