放射線量測定器 RADEX RD1503 まとめ

東日本大震災

(1)ロシア製のRADEX RD1503は使えるか?
以下に述べる条件を満たすのであれば、自分のいる場所が安全なのかどうかを判断するのに十分使えると思います。

※上記の写真はメーカーサイトから引用しています。
  http://www.quarta-rad.ru/en/products.php?id=1

(2)使用する場所の条件
空間線量が0.15μSv/h以上の場所において使用すると、概ね正確な数値を表示する。
この場合、小数点以下第二桁の数字(0.0x)については、誤差を多く含んでいると考えた方が良い。

空間線量が、0.15μSv/h未満の場所においては、実際よりかなり高い数値を表示してしまうという特性がある。この場合0.10~0.15μSv/hの数値を表示してしまうことが多い。
そのため、0.15μSv/h未満の数値が表示された場合、実際の数値を表示していないと思っていた方が良い。
これについては、モスクワの自然放射線量は0.17~0.20μSv/hであり、ロシアは総じて日本よりも自然線量が高いということからくる仕様、つまり0.15μSv/h以下を正確に測定する必要がない、ということであると思われます。

また、測定範囲の最大値が9.99μSv/hになるので、原発の現場では測定上限値になって使い物にならないと思います。あくまでも一般向けの製品です。
それゆえに、原子力の専門家からは、おもちゃという言われ方をしますが、一般の人が自分のいる場所の安全性を確認するには、十分な性能だと思います。

(3)使い勝手はよいか
基本的には、電源ボタンを押すだけで使え、平均値表示もわかりやすいので、専門的な知識が無い人でも使えます。
メニュー画面で設定がありますが、購入したそのままの状態で測定できます。

ロシア語モデルと、英語モデルがあります。できれば英語モデルで日本語説明書が付属しているものがお勧めです。

(4)食品の放射線量測定には使えません
食品の放射線量測定をするためにはもっと高い測定精度とそのための機材が必要です。そのような目的で開発された製品ではありませんので、食品の放射線量測定には使えません。

(5)ロシア製品について
この製品は、そもそもロシア(旧ソ連)向けの製品であるため、日本においては結果的に使用条件が存在しており、その条件の外と内では評価がかなり異なる結果になります。

それこそ、「購入してはいけない粗悪品」から「それなりに良い測定値を出す良品」までかなりばらつきがあります。このばらつきの原因は、この測定器の特性を理解していないで使っていることが原因です。

ロシアにおいては、日本に比べて通常の自然放射線量が高く、0.15μSv/h以上が通常であるため、ロシア製でロシア向けの測定器では、0.15μSv/h以下の低線量の測定が事実上必要がなく、低線量の場合はかなりの誤差を持っています。

しかし、日本では通常の自然放射線量が、0.03μSv/h以上であり、一般的には0.05μSv/h以上になるので、日常的に使う測定器は0.05μSv/h以上の数値を正確に測定できる必要があります。

ということで、ロシア製で、ロシア向けの製品では、測定限界以下としてよかった低線量が、日本においては、きちんと正確に測定できる必要があるという違いがあります。

これらの違いから、日本においてロシア向けの測定器を使う場合には、その測定器のカタログ上に書かれた性能だけではなく、測定器で使用している、測定デバイスのガイガーミュラー管(GM管)や半導体の測定範囲を含めて実際の性能をきちんと把握することが必要になります。

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