東北地方の活火山と神社

神社

以前の記事「東北の神社の御山信仰(リンク)」で、

日本の神社のうち、東北地方は御山信仰の神社が非常に多く見られるという独特の特徴があります。

と書いています。河北新報の記事「<東北活火山>噴火やガス災害たびたび」(リンク)にデータがあるので引用します。

東北地方の活火山は気象庁によると18カ所ある。活火山の定義は、過去1万年以内に噴火したか、現在活発な噴気活動があるか。東北の活火山では蔵王山を含め、噴火や火山ガスで犠牲者を出す火山災害がたびたび発生している。

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中世以降でもこれだけの火山災害が出ているなら、山を荒ぶる神と観るのは自然な感覚になり、東北の多くの神社に祀られている神々が御山の神になるのも当然かと思います。なので、神社が立っている場所の真後ろ方向が祀ってある御山になっているのを良く見かけます。

しかし、大和王権が東北に進出すると、王権の神話である古事記や日本書紀の神々を祀らねばならなくなるので、神社と御山の構造は山神信仰なのに、祀ってある神々が八幡や稲荷となって実体とは異なっている事が多くなります。後から祀った神々もそこには存在するため、本来の山神と古事記・日本書紀の神の二重構造になります。

(付記)

このような二重構造は、富士山についても同じで、富士山の神社である、浅間大社では祀ってある神を、
主祭神:木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやひめのみこと)
別称:浅間大神(あさまのおおかみ)
としていますが、実際に現地に行って感じ取ると、全く異なる2体の神々になります。

浅間大社での結婚式に参列したことがありますが、その時宮司さんは、祀ってある神のことを口頭では木花之佐久夜毘売命とは言わず、「自然の神を祀っている」と言っています。これは、そもそも富士山という山の自然神(富士大神)を祀っていたところに、噴火が続いた時に、鎮火の神として、浅間大神に祀り替えをし、さらにその後に木花之佐久夜毘売命も祀られることになったという経緯があるからです。

富士山の本来の自然神である富士大神は、富知神社に遷座しているのですが、そこでは、後から祀られた木花之佐久夜毘売命の父神の大山津見神に神名が書き換えされてしまっています。

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