聖天宮 (8/11更新)

久しぶりに、聖天宮に行ってきました。

聖天宮(せいてんきゅう)は、埼玉県坂戸市にある道教のお宮です。
聖天宮を寺として説明したり、神社として説明したりしていることがありますが、厳密には寺でもなければ神社でもないので、お宮と呼ぶ方がふさわしいかと思います。国内では、横浜や長崎にもありますが、現存する道教のお宮としては国内最大規模であり、一見の価値があります。

入口前から天門と前殿を望む。

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天門は、日本では楼門、前殿は拝殿に相当します。

この日はあいにく曇り空でしたが、極彩色のお宮は青空が似合います。2003年に行った時の写真を二枚掲載しておきます。

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こちらの二枚の写真は前殿の天井です。
天井は立体的に宇宙を現しているそうです。

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イスラムのモスクの大天井も宇宙を現しており、それぞれの文化における宇宙観を現しています。

さて、ここから本題です。

前殿の前面に立つ九龍柱には、一本の柱に九体の龍が彫り込まれています。

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一本の柱に九体の龍を施すのは、最高位の神か、皇帝にしか用いることが出来ないとされています。また、「九」の発音は永久を意味する「久」として縁起が良いとされています。

こちらは本殿前の中庭にある、九龍網と言う九頭の龍です。

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龍は中国では神の使者とされ、神の使者のなかでも一番力が強いとされています。日本では、それが転じて龍神として扱われています。

箱根の九頭龍神社で、霊視で観る事ができる龍は、流体のように観え、九つの頭やうろこ、爪などを持っているわけではないのですが、力の強い龍を表現する時に文化的に九頭という形で表現するというのであれば、箱根の龍神を九頭龍と呼ぶのも納得です。

九頭の龍という中国からの伝承が、日本の人々の深層意識に伝わると、龍神が現れたときに、力の強い龍神である場合には、九つの頭を持った龍として視覚する(観てしまう)ということから、日本における九頭龍神というストーリーが出来上がって来たのだと思います。

こちらは、中庭両側の廊下の写真です。

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天井の龍と鳳凰の図に描かれている雲の図ですが、このカラフルな雲を白で縁取る描き方は、出雲大社本殿の天井図の「八雲之図」に大変似通っています。
2008年の出雲大社 平成の大遷宮 御本殿特別拝観で実物を見たのですが、鮮やかな色彩がそのまま残っており、大変きれいでした。拝観では内部の撮影禁止のため、天井図は撮影できなかったので、以下のサイトを参考にしてみてください。

原健 ブログ 出雲大社本殿・大遷宮・特別拝観
http://d.hatena.ne.jp/takeshihara/20100212/1265959637

出雲は、大陸から多くの移住者があり、鉄文化なども大陸から来たと言われているので、出雲大社の天井図と中国文化の雲の描き方が似通っているのも当然かと思います。

天門前に戻って、正面から。

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入口の両脇に、二頭の獅子が守っています。あと、前殿前にも二頭の獅子が居て、神殿を守っています。
獅子が守り役として鎮座しているというのは、日本の神社にも見られます。日本の神社の獅子も中国系の文化の影響だと思います。ただ、聖天宮の獅子は、阿吽(あうん)にはなっていないところが、日本とは異なります。

こうしてみると、日本の神社文化と、中国のお宮の間にはいくつかの類似点を見つけることができます。かつては中国は文化的にも経済的にも大国であり、日本は海を隔てて存在する小国であったので、日本の神社文化が、それらの影響を受けているのも当然かと思います。

(公式ページ)

五千頭の龍が昇る 聖天宮
http://www.seitenkyu.com/

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