感情は出来事が直接起こすのではなく、観念が生み出すものです。
観念とは、「自分が、深く信じている価値観」ということです。「信念体系(belief system)」と言うこともあります。
人は、出来事が起きると、観念によって出来事を評価して、感情を生み出しているのですが、その出来事と感情までの時間がとても短いため、出来事→観念→感情ではなく、出来事→感情という結びつきになっているという勘違いをします。
観念が生み出した結果が感情であり、それは既に生み出されたものなので、それをコントロールすることは、かなり難しい事になります。
かりに、感情を抑え込んだとしても、既に生み出されているので、無くなることはなく、自分の内面にそれを隠しておくことしかできません。たとえ隠したところで、いつかそれは形を変えて表出することになります。
多くの場合、隠した感情が表出する時は、ストレスとして現れます。ストレスは、自分自身の精神的な安定を損なうため、そこでまた感情に巻き込まれてしまうということを起こしてしまいがちです。
そのストレスを感じないようにするために、自分の内面に感情を隠すということを何度も行えば、隠された感情が高い圧力を持つことになり、それらが表出する時、その圧力をコントロールすることが出来ず、とても破壊的な表出になります。
多くの人が、感情をコントロールしたいという希望を持っており、カウンセリングにおいてもそういう相談を受けることが良くあります。
感情は、あくまでも観念から生み出されたものであり、それをコントロールしようとすることは、ストレスを発生させる結果となります。
大切なのは、感情を生み出している観念を見つけ、その観念がネガティブなものであれば、それをポジティブなものに置き換えることです。観念が変われば、起きる感情は自動的に変化し、コントロールする必要すらありません。
ネガティブな観念は、破壊的な感情を引き起こします。
ポジティブな観念は、愛を基にした感情を引き起こします。
感情をコントロールしたいのであれば、感情ではなく、それを生み出している観念をポジティブなものに切り替えることが、あなたにとって最も必要なことです。
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