昨日届いたところなので、読むのはこれからですが、古閑さんのブログの「グレッグ・グッドの物体の消滅」(リンク)で紹介されているので、そちらの文章を引用します。
バークリーとはどんな人だろうか? 森の中の木についての、昔からある哲学的な問いのことを知っているだろうか? 誰も聴く人がいなかったら、森の中の木が倒れるときに音は発するだろうかという問いだ。バークリーは、18世紀にこの問いに対して「ノー」と答えた人だ。バークリーは、外部に存在している物理的な実体というものは存在していないということを、飽くことなく主張した。彼によれば、人間の思考は、外に存在する物質としての岩や自動車を参照していない。岩や自動車が思考を引き起こすこともない。
(中略)
ある日、バークリーの本を読み続けた後、彼の主張がはっきりと理解できた。まるで、心の中の霧が晴れたようだった。外部に物体が存在しているという感覚も確信も消えてしまったのだ! 物質的な実体という観念も、それに付随する内側と外側の区別も消え去った。それに、自分の経験を説明する上でも、そうした観念や区別は必要なくなった。私は興奮で身震いしていた。
「ハイラスとフィロナスの三つの対話」はスピリチュアルでもなく、宗教でもなく、哲学の書であるということにちょっとびっくりです。
哲学は、古くは科学でもあったように、厳密な思考によって構築されるものであるので、スピリチュアルや宗教とは相反するものであると思っていました。多くの哲学はそうなのですが、その中にこのようないわばノンデュアリティの本質となるような研究を行っていた哲学者とその書があるというのはちょっと衝撃的な出来事でした。しかも、1713年刊と300年以上前に確立していたということなので、取り寄せて読むことにしました。
※新書では手に入らないので、古書で購入
書名:ハイラスとフィロナスの三つの対話
著者:ジョージ・バークリ
翻訳:戸田 剛文
出版社: 岩波書店(岩波文庫)
ページ:280ページ
発売日: 2008/4/16
ISBN-10: 4003361822
ISBN-13: 978-4003361825
Amazon:http://www.amazon.co.jp/dp/4003361822
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