日時:2008年9月18日13:00~14:00
インタビュー&タイプ: せんむ
編集:八雲
■日本の政治について
―:政治に関する質問ってまずいですか?
八雲:内容にもよります。
―:自民党の総裁選が近々あると思うのですが、まぁそのあと総選挙でどっちが勝つかは分からないですけど、そもそも政治っていうものはどういうものなんでしょうか?
八雲:一番人間らしい世界です。
―:どろどろ?
八雲:どろどろっていうんじゃなくって、人間の欲望も出てくるし、綺麗な心も出てくるし、すべてがそこに集まってるんです。
―:今度の総裁選で日本の政治は変わりますかね?
八雲:…変わりません!
―:変わりませんって…、あのぉ、夢のない話で終わってしまいそうなんですが。
八雲:というか、世論調査の結果見てれば分かりますよね。
―:んー、あんまり変わってないですよね。
八雲:何も変わり様がないっていう状態。今一番人気がある人は、財政出動型だから。
―:いわゆるばら撒き派ですよね。
八雲:そう。つまり、変わりたくないんですよ、みんな。国民そのものは、本当は。
―:それは、自分達さえ良ければという感覚があるせいなのかなって思うのですが?
八雲:というよりは、自分の後の世代ということまで考えてないから。今をなんとかしてくれ、ということを考えてる。
―:なるほど。そこを変えるカギというのはあるんですかね。その政治を変えるカギみたいなものが。政治が変われば、ある意味すごくトータルに変わっていくのかなということを思うんですけれども?
八雲:政治を変えようとするから、政治が変わらないの。
―:変わらない?んー、難しいです。
八雲:以前、政治の世界に少し関わっていたから良く分かるんだけれども、政治が変わろうと思ったらば、日本人の意識が変わらないといけない。
―:全体的に?
八雲:全体的に。つまり…100%みんなが変わらなくても良いんだけれども、少なくとも過半数の人の意識が変わらないと、政治は変わらないです。
―:意識が変わるためには、なんとなく私は、広い意味の教育が必要なのかなという気がするんですけれども…そうではなくて?
八雲:ただ、教育に期待をしようとしたときに何年かかるかです。
―:かなり長いですよね、スパンとしては。10年20年以上の話ですよね。
八雲:そこまで待ちますか?
―:うーん、早いほうが良いですよね、それはやっぱりね。
■官僚機構について
八雲:なおかつ、官僚機構っていうのは、今までの方針を継続しようという体質なんです。
―:前例主義みないな。
八雲:中国の昔の官僚組織から日本の官僚組織まで、基本的にはおんなじです。なんでそうなるかというと、官僚組織っていうのは、政治が決めたことを粛々と実行する組織であって、何かその自分達で生み出すっていうことは主眼じゃないんですよ。だから、あまりその余計なことを考えずに粛々とやってくれる組織が、官僚組織としては一番ベストなんです。
―:官僚組織というと、色んな、ね、問題が、まぁ昔で言うところの官官接待とか、税金の無駄遣いとか、まぁ最近良くなっているのかもしれないですけど、そういうあまり宜しくない部分がクローズアップされがちじゃないですか。
八雲:なんでそうなるか分かります?
―:んー、…縦割り組織だからとかですか?
八雲:それは昔からそうです。つまり、高度成長をしてれば、そういった問題があってもみんな気にならないんですよ。だから、今起きてる問題は、実は今起きてるのではなくって、昔から根っこはあるんですよ。で、高度成長してれば、経済発展でかき消されちゃってたわけです。で、その高度成長がなくなったから、いまこういう問題がボロボロ出てきているということ。たとえば、お米(汚染米)の問題にしても、昔からあるんですよ、あの問題は。
―:あっ、そうなんですか!?
八雲:で、食品偽装にしても、昔からみんな知ってるんですよ、現場の人たちは。でも高度成長という時代の空気の中では、経済成長のほうにみんな意識が行くから、そういうことが顕わになったとしてもそんなに注目されない。そういうふうに時代が変わっていった。で、50年間経済成長が続くっていうことそのものが世界的にみても珍しいんです。だから珍しい時代だったんですよ、戦後50年という時代が。
―:はい。
八雲:で、いま普通の時代にまた変わったんだけれども、その珍しい時代の色んなものがジャストフィットした状態のままだから、おかしくなってる。
―:時代が変わったので、じゃあそれに対応するために色んなところが変わって…
八雲:いかないと、本来はいけない。
―:なんだけれども、でもなかなか変われないのは、やっぱり昔のままが良いやっていう…
八雲:その昔のままっていうのは、高度成長時代ですよ、ということ。つまり、その昔高度成長で良い思いをみんなしてるので、そのときの思いがあるもんだから、財政出動等で経済活性化っていう夢を持ってしまうんですよ。
―:なんか古き良き時代を思い出してるような感じですね。
八雲:というか、新しいやり方をみんな知らない。たとえば、新しい時代に適応したビジネスの進め方を勉強する間もなく、ここまで来ている人たちが多いです。
―:それって、やっぱり勉強してこないといけないんじゃないですか?
八雲:勉強してなくても、なんとか生き残っていられる会社が多いんで…。となれば、昔の夢を追い求めてしまう…。
―:普通の会社でもなかなか変われないんじゃ、政治の世界はもっと変わらないですよ。でも、変わってもらいたいなっていう…。
八雲:変わってもらいって思うんじゃ駄目なんですよ。自分が意識を変えていかないと。ひとりひとりの意識が変わらないと無理です。
■中国の官僚機構との比較
八雲:日本の場合は、中国とちょっと比較してみると分かりやすいんですよ。政治といったものに対しては。中国は国民が政治を信頼してるかというと、基本的に信頼してないんです。だから、華僑のネットワークが出来て、海外に資産を置いておく。で、日本の場合は幸か不幸か、いわゆるお上っていうのは比較的信頼ができるものであったという時代が長い。江戸時代がまさにそういう時代ですよ。
―:そうですよね、260年間近く続きました。
八雲:なもんで、日本人は上に対して、要求をするという癖がついてるんですよ。
―:なになにしてください、して欲しいとか。
八雲:だから、世の中を動かしてるのは上の人間だ、っていう意識が強いんですよ。だから、自分が変わらなくても変われると。
―:お上任せっていう。
八雲:そうなっちゃうわけです。
―:自分達が何かをこう創っていったり、変えていったりっていう意識はあんまり…
八雲:ありませんね。
―:ひとりひとりの目覚めを期待するしかない、と?
八雲:基本はそこです。だから、政治に変わって欲しい、変わって欲しいっていう人が多いんですけれども、それで何が変わるのかと。
―:…あぁそっか、今やっと分かった。自分がどっかに行ってるわけですよね。他に対してあれこれして欲しいって言ってる段階で。
八雲:うん、「自分が何をするか」でしかないんです。
―:その発想の転換、まぁコペルニクス的転回じゃないですけれども、大事ですよね。
八雲:大事です。
―:どうなんですかね、往々にして自分がどこかに行っちゃってるときって多いけれども、やっぱりそういう発想の転換みたいなものっていうのをあんまり意識するのって少ないと思うんですよね。ニュースとかだって一方的に聞いてるだけで、誰々さんが悪いことしましたって流されたときに、あいつはけしからん奴だって言う人も、じゃあ自分はどうなんだろうっていうふうに振り返ってみることってたぶんあまりないですか。まぁ、政治の場面でも、そういう形でひとりひとりが問われてるわけですよね。
■政党政治について
―:ちょっとだけ話が変わるんですが、自民党と民主党ってあんまり政策が違わないですよね。アメリカは、共和党と民主党で基本的に政策が違うじゃないですか。日本の場合、二大政党制を実現するといっても、自民党と民主党の政策が似たりよったりだったら、あまり意味がないように…
八雲:なんでそうなるか、っていうのを考えたほうが良いですよ。もともと自民党に政策ポリシーはないんです。だからその、自民党が目指していたのは、政策政党ではなくって政権政党なんです。あくまでも政権をとる政党っていうスタンスなんです。だから、ずーっと自民党の歴史を調べると、ポリシーないんですよ。コロコロ変わります。それは何のためにかっていうと、政権を維持するため。
―:なんか、ある意味もうちょっと潔くあって良いんじゃないのっていうところがあるんですけれども。そこが最終目標だったら、そのために手段を選ばないですよね。
八雲:で、民主党の母体を辿って行くと社会党ですが。社会党は反政権政党であり続けたいんですよ。政権政党に対する対抗勢力。だから、こっちもポリシーないんですよ。
―:同じ体質ですよね。中身がないとまでは言わないけれども…。
八雲:見た目は違うけど、中身は同じなんですよ。
―:形から入っちゃってるってことなんですかね。
八雲:まぁ政権とってるか、とってないかという立場の違いだけで。
―:でも本来は政策から入らないといけないですよね。自民党の政策はこうで、我々の政策はこうで、こっちのほうがより国民のためになるんだっていう…うーん。
八雲:でも、政策政党が本当に正しいのか?と。アメリカってわりと政策と政党って繋がってるじゃないですか。ところが、現実問題としてみてみると、じゃあアメリカの民主党の政策、みんなが全て賛成してるわけじゃないんです。これは良いけと、これは反対だというのがあるんで、政策政党が本当に良いのかって言ったときに、アメリカの政治はね、わりと美化されすぎなんですよ。現実問題としては、二種類しか選択肢がないんですよ、国民にとって。それが本当に良いのかどうかっていうのは、結構それは議論があるんです。
―:二大政党制が日本にとって本当に良いのかどうか…。
八雲:だから、二大政党制を民主党はつくりたいと、政権をとるって言ってるんであれば、あくまでも政権をとる政党に固執したほうが良いんです。ただし、それが国民の為になるかどうかは、また別。
―:自民党が政権をとるというスタンスなんだから、自分たちも政権をとるんだっていうスタンスが要りますよね。
八雲:で、現実的には世の中の報道を見てると、どっちも政策一緒じゃない?ていうふうになってる。もともと立場が違ってただけで、やってることが一緒だからそうなるんですよ。そうすると、よほど政権をとりたいんであれば、本気になってくると日本にとって必要な政策がこれだっていうのが似通っちゃうんですよ。
―:悩ましいですね…。
八雲:悩ましいです。だから自民党も民主党も似てる状態になってきちゃうんです。政権をとるために政党っていう考え方をやるから似通ってくるんですよ。
―:うーん…。
八雲:いま起きてるのがそういう状態です。
―:悩ましいですねぇ。
八雲:だから二大政党制が本当に良いのかっていうと、議論があるんです。ただし、その今の膠着した状態を変えるには何らかの政権交代、もしくはそれに近いことがないと非常に難しいのも事実です。だから小沢さんが大連立…
―:自民党と民主党の大連立ですよね。
八雲:を考えたのは、その政治の現実を見れば、確かのそれは選択肢のひとつなんです。ただ、それをやると今度は対抗勢力がなくなって、どうなるのか?っていう問題もあるので…
―:ありますよね、それは。
八雲:ただし、その、政界再編のひとつのきっかけとして小沢さんは考えてるはずなんですよ。だから、その考え方で行くんだったら、またそれもありだなと。
―:複雑ですよね。
八雲:だから、その、アメリカみたいに政策政党っていう考え方が本当に日本で通用するのか、と考えたときに小沢さんはそれは無理だというふうに考えたと思うんですよ、いまの時点では無理だと。将来的には、まぁ別としても。だから小沢さんが大連立考えたときにおもいきり周りから叩かれてる。
―:叩かれましたね。
八雲:でもね、考え方としては基本的には間違いではないと思います。
―:言ってることは理解できると。んー、でも(スピリチュアル・インタビューで)政治の話をしちゃって良いんですかね?
八雲:そんなときもあります。
―:まぁ…時期的にはありですよね。
■サブプライム問題について
―:あともうひとつ、ニュース的な話題で言うと、アメリカでサブプライム問題がどんどん世界的に波及して、つい最近、大手証券会社が経営破綻したり、巨大保険会社が救済されたり、まぁそういう問題がいっぱい起こってるじゃないですか。過去日本でも、失われた10年とか15年とか、不良債権の問題がありましたけど、いわゆるバブルって繰り返されるものなのかなぁと。アメリカみたいな資本主義大国が、まぁ、だからこそなのかもしれないですけども、歴史は繰り返されるんだなぁと。人間の歴史そのものにも言えますけど。
八雲:簡単に言うと、お金でお金を儲けようとするから起きるんです。物でお金儲けしてたらバブルって起きないですよ。
―:実体経済かどうかってことですか?
八雲:お金を使ってお金を儲けるってことをやる限りは、バブル的な要素は起きるんです、どうやっても。実体経済でたとえば大根1本100円ってやつを1万円で買う人はいないんです。ただ、これが大根が債権化されて実体から離れると話は違ってくるんです。
―:その感覚の乖離っていうのは怖いですよね。金融の、別に金融をやってる人を責めてるわけじゃないですよ、でのそのインテグリティのなさは…
八雲:いや、でもね、そういう立場にもし自分が立ったらそれはやりますよ。
―:トレーダーみたいな立場になったら?
八雲:つまり、お金を使ってお金を儲けるというビジネスに入る限りは、実体との乖離があるかどうかは、二の次、三の次なんですよ。自分がどんだけ儲かってるか。になるから、乖離があるかどうかってことは関係なくなるんですよ、お金とお金の勝負だから。だから、バブル的なことが起きる要素はどうしてもそこにあるんです。
―:たぶんそういうのが好きな人と、どうかなって思う人はいるんでしょうね。
八雲:だから、デイトレに嵌れる人と嵌れない人みたいなもんです。デイトレの世界も実体経済がどうかじゃなくって、株の動きとか、債券の動きの鞘をとっていく話だから。
―:アービトラージですね。
八雲:だから、鞘が大きければ大きいほど嬉しいわけですよ。で、鞘が大きいって言ってること自体、実体とのズレが大きいってことなんです。だから、物々交換だったらバブルは起きようがなんです。実体経済だけだったらば、起きようがない。でも、金融っていうものが入る限りは、バブルが起きる要素が必ずそこにあるんです。
―:でもこういう問題が起こったら、それに周りがね、結構影響を受けるじゃないですか、たとえば経営破綻しましたってなったら、リストラっていう話も出てくるわけじゃないですか。その波及効果を考えたら、ある程度その、強引にコントロールするっていうことも必要なんじゃないかなって思うんですけど。まぁ、でも基本的に自由ですからね、資本主義経済は。難しいところですよね。
八雲:難しいですよ。で、石油の値段が上がってたのは先物が原因。まぁこの前、下がるって言ってて下がってきたんだけど。
―:下がってきましたね。私は何も(取引)してませんよ、その話聞いて(笑)
八雲:実体経済からかけ離れてるとすると、それは下がらざるをえないんです。で、それは、もともと先物っていうのは、実体経済の物の値段を安定させるために創って、お金でお金を買ってるわけです。で、それが逆方向に動けば、高騰になるんですよ。だから金融がある限りは、高騰するしないのような宿命が、どうしてもそこに同時に存在してるんです。
―:ましてや、金融そのものは今や必要不可欠ですからね。
八雲:だから包丁みたいなもんです。
―:なるほど。
八雲:道具にもなるし、武器・凶器にもなる。
―:悩ましいですよね、本当にね。
八雲:包丁のない生活を望みますか?ということです。
■生き方について
―:まぁ人間はもともと物々交換だったじゃないですか、経済的には。で、どんどんどんどん経済の発展とともに、金融の仕組みも発展してきたじゃないですか。それでこそ豊かさを享受できてる部分もあると思うんですけど。でもその分、破綻のリスクとか色々なものも出てきますよね。
八雲:出てきます。
―:人間のつくるものってだいたいそうじゃないですか。まぁ最近はあまりそうじゃないのかもしれないですけど。
八雲:完全なものはないです。
―:太陽光エネルギーとかまだましかなと。
八雲:太陽光も完全とは言えないです。だって、太陽光発電するために材料集めてこなきゃいけないでしょ。その材料が全て安全な薬品、製品とも限らないし。
―:そういう人間の創造物の不完全さゆえの、せめぎあいみたいなものが常にあるのかなと思うんですよ。たとえば法律だってそうじゃないですか、どこかに不完全さがあって法解釈の余地が存在している。
八雲:基本的に我々がいま地球上に生きてるってことは、不完全なんですよ。なんで不完全なのかっていうと、もとは完全だったから。
―:…深いですね。
八雲:で、完全なとこにいたらば、出来ないことを体験しようとして、ある意味不完全な世界を創ってるっていう背景ってあるんですよ。
―:それを選んでる?
八雲:選んでる部分もある。だから、その不完全さを嘆くよりは、不完全さを、敢えて言うならば、楽しむっていうことのほうが大事ですよ。
―:なかなかそこまで心の余裕がないですけど…。
八雲:うん、だからそれが基本だっていうことを知っておくのが大事なんです。コーヒーのコマーシャルで「ろくでもなき、素晴らしい世界」っていうのがあるけど、あれはなかなか名文句ですよ。
―:高杉晋作の「面白きこともなき世を面白く」と似てますね。
八雲:完全じゃないことを嘆く必要はないんです。
■過去生リーディングについて
―:そう考えたらまぁ、結局不完全な世界ゆえに、不条理なこととか、矛盾のあることだとか、色々起こるじゃないですか。で、そういうことを自らの人生を通じて経験する中で、ちょっとこう余裕をもって見れるような感じが本来的には望ましいと。
八雲:というのがそこにある。過去生リーディングとかやってて、やっぱり思うのは、いまの現世だけで見てると不条理な人生っていうのはあります。でも全部をみていくとね、不条理じゃないの。たとえば、30万円落としたと。だだね、なんかその原因がずぅーっと昔にあったりするんですよ。実は30万ぐらい…ぶんどってたとかね。そういうのはいっぱいあります。よくする話なんで何回も聞いてるとは思うんだけれども、現世お医者さんやってる人は、昔は牢屋の拷問係やってたとか。お医者さんやってるっていうのは、じゃあ誰でも良いことかっていうと、昔こんなこと(拷問係)やってたからやってるんだっていうケースもあります。
―:プラマイゼロって感じですかね。
八雲:うーん、プラマイゼロっていうよりも、バランスをとるっていう感じ。ってこと考えると、たしかに現世だけでみると確かに理不尽、不条理っていうことは結構あります。
―:そう考えると、いま起こってることっていうのが、本当に不条理かどうかっていうのは分かんないですよね。
八雲:分かんないです。
―:でも全体がね、なかなかみんな見えないから…。
八雲:僕がこんなことやってるのは、過去生で悪い人だったからなんですよ。
―:んー、全然悪い人には思えないですけど。
八雲:んー、思えてたらこんな仕事できないですよ。
―:確かに。当人の今の仕事っていうのは、バランスをとってる人もいるし、人によっては新しい…
八雲:チャレンジをやってる人もいるし。
―:そういうのを、まぁ…皆さんリーディングしてもらってください(笑)
■ポジティブ論
―:そう考えたらまぁ、そんなにね、思いつめる必要はないのかなっていう気がするんですけど。でも、これから何度も生まれ変わると思うとちょっとシンドイなっていうのはあるんですけれども。
八雲:だから、いまの人生を如何に楽しむかっていうことなんですよ。しんどい人生にするのか、楽しめる人生にするのか。
―:大事でしょうね。前向きに、ポジティブにということですかね?
八雲:前向きにというか…なんていうか、僕はポジティブってあんまり言わないんです。
―:何って言ってるんですか?
八雲:やっぱり、ニュートラル。
―:あぁ~。
八雲:ニュートラルに物事が見えたうえで、ポジティブにとる。
―:二段階あるわけですね?
八雲:あります。なんでもポジティブにとると…
「家にドロボウが入った」 → 「良かったー!」
になっちゃう。それはちょっと、違うだろうと。
―:ははは(笑)
八雲:いわゆる、ポジティブ論やって、よく言われる話はそんな話ですよ。だからおかしいってなる。
―:笑いのツボでした(笑)
八雲:冷静に物事が見れたうえで、ポジティブにとるっていうのが良いです。松下幸之助さんが火事にあったときも、やっぱりそうなんです。自分の工場が火事にあったとき、燃えたもんは、燃えたもんだと。でも、人はちゃんと生き残って、みんな元気で良かったと。ここらがポジティブなんです。
―:確かにいきなり燃えちゃった段階では、動揺もするし色々あるんでしょうけど、そこでふっと冷静になって、物事をまた新しくポジティブに捉えなおしていくっていう、そこは本当に凄いですよね、やっぱりね。
八雲:そうしないと、燃えてる最中にポジティブになっても困るわけですよ。
―:確かにそうですね。
■歴史書について
―:ところで、古事記や日本書紀についてなんですが、基本的に捏造部分があるんでしょうか?
八雲:まぁ、誰が書いたかを考えれば。つまり、政権交代してから書かれてるんです。
―:また(冒頭に出てきた)「政権」ですか。たしか天武天皇のときでしたっけ、忘れましたけど。
八雲:いずれにせよ、古事記に日本書紀に限らず、どの世界でもそうなんだけれども、日本の歴史とか国の歴史を書くときに、誰が書くかというと、平民が書くわけがないんです。
―:政権側ですよね。
八雲:権力者が書く。ってことは、その権力者の都合の良い方向性で書くっていうのは当然のことなんです。どの時代でも、どの国でも同じ。だからある程度、自分に都合の良い記述にどんどんなっていくのは、もうしょうがないです、これは。要は捏造というとちょっと言い過ぎかもしれないけれども、それを書いた人の都合の良いように書かれているっていうのは、どこ行ってもあります。
―:それはでもあれでしょ、本当はこうだったっていうのはなかなか見えづらいという結果になっちゃいますよね。残念といえば残念なんですけど。
八雲:でも、本当はこうだったとして、それをどう評価するのかっていうのも、また時代で変わっていっちゃうんですよ。たとえば原爆が広島に落ちたと。アメリカにとっては良いことなんですね、これが。で、まぁ仮にの話をして今度は日本が超大国になって、広島がどうだっていう評価になると、今度はアメリカにとっては悪いことになるんですよ。立場とか、時代が変わると評価も変わっちゃうんです、同じことでも。だから、何が真実かっていうこともあるけども、それをどう評価するか。そこが非常に難しいとこです。
―:悩ましいですよね。
八雲:悩ましいです。
―:でも、さっきの話からすると、そんなに悩む必要もないのかなとも思っちゃうんですけれども…。
八雲:だから300年先のことを考えて悩むよりは、いまのことを悩むほうが良いです。
―:順序としては?
八雲:順序としては。でも、だから環境汚染して良いのか?っていうと、そうでもないですけれど。ただ、前のインタビューでも言ったけれども、我々が生きているのも地球のお蔭だと思えば…
―:あえて汚すとかそういうことは…
八雲:うん、やらなくなる。だから、発想の転換をしていくと、物事が変わっていくんです。
―:発想の転換というのは、ひとつの今回のキーワードのような気がするんですけど、そういうのって普段はあまり意識しないですよね?
八雲:えとね、だから無心になれない人は、そこに意識がいかないんです。無心になれる人は、物事が起きたときに、ただ見るっていう癖がつくんで。そうするとどっちにでもとれるんだっていうことがよく分かります。
―:ただでも、たぶん想像するに、多くの日本人というか人間は、色がついてたり、あるいはある種偏ってるものを好む傾向にあるのかなという気がするんですけれども。
八雲:好むんじゃなくて、それを教育されてきてる。さっきの話に戻っちゃうけど、教育するっていうときの教育内容も、権力者がつくるわけです。よく色づけされてるんですよ。数学みたいな純粋な学問ならともかく、思想的なものとか、どう評価するとか、ということに関してはある意味色づけされてるんです。
■国家について
―:でも、基本的な統治の仕組みとして、表現が難しいですけれど、国家と国民みたいな構図は避けられないじゃないですか、今のところは。だとしたら、国と自分の両方を認識できてるかどうかというところに行くんじゃないですか?
国の主権って、たしか領土・領海・領空があって…って合ってます?
八雲:合ってるけど、今はそれも崩れてるのが実態です。
アダム・スミスの頃は国=経済で良かった。今は、国があっての経済ではないんです、ヨーロッパみてれば分かります。つまり、国っていう単位ではなくって地域というのがひとつの経済ユニットになってる。なので、国ごとにやってちゃいかんねというのでEUができた。だから国という概念そのものがもう崩れてるんです。
―:もともと国として分離していたものが、ひつの価値観や基準によって…
八雲:というよりは、経済ユニットだと思ったほうが良いです。それにまぁ高尚な思想をつけちゃって、国という形にしてると。昔から経済ユニットなんです、国っていうのは。国家内取引でいちいちドル使って、円使って、元使ってたら、面倒くさいです。
―:同じ通貨単位にしましょうよって話ですね。
八雲:同じにしようよ、っていう話なの。
―:最終的に全部の国が同じ通貨単位になったら…。
八雲:いつかはそういうふうになります。だから国っていうを考えるときに、経済ユニットであって、それをまとめるのに、今度は権力者のほうから、権力者に都合の良い情報をつけていったと。国民国家とか住民を集めたものが良いとか悪いとか言ってるのではややこしくなってるんですよ、逆に。
―:ややこしいですよね、つくづく。
八雲:経済を中心に考えたほうが、わかりやすいです。
国とかいうものを考える前に、経済という単位で考えたほうが、物事は分かりやすいです。だから、大前研一さんは道州制を提唱している。で、昔は日本は下総国とか、ああいう律令制度の国っていう単位があったときに、それはだいたい山があったり、川があったり、経済的な交流が難しいからひとつの国っていうユニットになってる。
―:地理的なものが影響してたわけですね。
■グットライフについて
八雲:日本も含めて、みんなどうしたいかっていうと、グットライフを過ごしたい。
―:そうですね。
八雲:というのが、人間の基本的な欲求だから。グットライフのためには経済が必要。まぁ物々交換だったら別だけど、いまの時代は経済が必要なんですよ。だから、経済をひとつのくくりにして、物事が動こうとしてる。ただ、気になるのはアフリカみたいに経済がまだ発達してないところは、武力とか別な要素が強くなってくる。だから経済発展してしまったほうが、戦争はなくなるんです。
―:お互いある程度の水準まで行ってしまえば…
八雲:戦争するほうが、逆にデメリットになっちゃう。だから、昔は中国とインドがドンパチやってたけど、最近あんまりやらなくなってきたのは、中国もインドも経済があがってきたから。ドンパチやったほうが損失になるんだから。
―:ミサイル撃ったら、また買わないといけないですからね。
八雲:すると、経済が痛むんです。経済がないときには、ドンパチやっても痛むものがあんまりない。
―:そこらへんは、やっぱり経済発展のひとつの良い部分ですよね。と同時に、新しい問題ももちろん起こってくるので、それらを政治とかひとりひとりの次元で手当てをしていく必要があるっていうことですよね?
八雲:だから、経済発展すると環境問題とかいろんな問題が出てくるけれども、それをやっぱり解決しながら、経済が発展していったほうが、みんなが良い生活ができる。
―:昔は、人間の戦争の歴史をみていたら、科学とか経済とか全然発展しないほうが良いんじゃないかと思ってたんですけれど、今のお話を聞いてたら、それなりに発展していくのもありなんだと。
八雲:だから、物々交換の時代に戻りますか?ということ。
―:いまさらちょっと厳しいですよね。
八雲:戻れる人は少ないです。
―:ある種、割り切っていて達観できてないと…想像つかないですね。
八雲:だから、一番良いのは経済発展しながら、色んな問題も同時に解決していくということが、今の世界には一番あってるんです。巨大隕石でもくれば話は別になるかもしれないけれども。
―:ほとんど死んじゃいますからね。まぁでも、66億人も飯を食うっていうのは大変な話ですよね。
八雲:大変ですよ。大変だけれども、能力がないわけじゃない。生産量でいけば食わせられるんですよ、66億人。
―:でも、どうしても貧富の格差があるわけですよね。
八雲:要は、偏ってるだけなんですよ。食料でいえば、66億人食わせられるだけの生産量はすでにあるんです。それが偏ったところにしか行ってないっていうのが問題。
―:これ、でも解決し甲斐がある問題ですよね。
八雲:で、なおかつそれで一番ベストなのはお金儲けしながら、それを解決するということ。同時に豊かになれる。
―:自分のためにも、周りのためにもなってるという。そうすると、どんどん国の役割ってなくなっていきますよね。
八雲:だからヨーロッパをみれば。通貨発行がそもそもかなり大きな権力だったのが、通貨発行をEUに渡しちゃってるでしょ。で、国防もある程度もう移管しようとしてる。
―:国の大事な仕事をどんどん渡していってるわけですね。
八雲:だって、国ってあとから出来たもんであって、経済ユニットが元だと思えば。国のやることってそんなにあるわけじゃないんですよ、もともとは。
―:国防とか、外交などですよね。まぁ外交もそんなに…
八雲:関係なくなっていく、将来的には。
―:そのかわりみんな英語できないと、みたいな。
八雲:うーん、まぁそこらへんは難しいかな。だから今は自分達が出来る範囲で、良い未来をつくっていくために何ができるか、っていうのを考えるのが一番大事なんです。
―:なるほど。
八雲:今日はそんなところで。
―:お疲れ様です。ありがとうございました。
八雲:ありがとうございました。
<以上>
コメント
こんにちは。
私も政治のことはあまり関心に思わずに過ごしてきましたが、そうも言ってられなくなり、できるだけ把握しておきたいと思うようになりました。
地方都市の衰退をどこで歯止めかけるかが問題であるように思います。ユニークな市長さんや町長さんが出てきて、地域をどんどん牽引していって、地域全体から何かオーラを感じさせるようなところがこれから生き残ると思います。
すずめさん
今回のインタビューはいつもと違って、政治の話が中心ですが、政治を忌み嫌う傾向がスピリチュアルの世界の一部にはありますが、現実問題として、政治は我々の生活の一部であることを認識するところから始めたいと思っています。