●科学的と未科学
量子力学とスピリチュアル特に引き寄せの法則を結びつけて語るブログや書籍がありますが、量子力学と引き寄せの法則は、まったく別の領域の物理学/法則です。
量子力学は科学(物理学)ですが、引き寄せの法則は経験則であり、関係がありません。
科学には、科学的か非科学的かという二分だけではなく、まだ科学になっていないもの=未科学があります。
科学:理論が一貫して、再現性がある。
非科学:理論が破綻して、再現性がない。
未科学:理論はないが、経験則として有効であり、再現性がある。
スピリチュアル/引き寄せの法則は現時点では、科学的な理論ではなく、経験則的なので、未科学の分野になります。
将来的には、スピリチュアルは科学の一分野になるでしょうが、そのためには量子力学を含めた物理学が現在の限界からさらに発展していく必要があります。
[補足]
スピリチュアルには様々な理論があるという指摘もあると思います。
しかし、それらの理論は科学的に厳密な検証をされたものではありません。経験則として理論化されています。そのためそれらは、科学の領域の理論ではなく、未科学の領域になります。
●カテゴリーが違う
現在までに知られている量子力学と引き寄せの法則では、接点がないので量子力学を用いた引き寄せの法則の説明は破綻します。
別の視点から見るなら、量子力学は、顕微鏡でも見えないミクロの世界についての理論です。引き寄せの法則は人間サイズの大きさについての法則です。
対象とする物理的なサイズすなわちカテゴリーが全く異なります。その二つを結びつけることに無理があります。
そこを無理やり、量子力学の一部分を都合の良いように解釈して、引き寄せを語っている人がいます。
量子力学をきちんと理解できていない人がそんなことをしています。
●量子力学の一般向け書籍
量子力学については、一般向けの解説本が沢山出ていますが、基本的な物理学の素養がないと、どの解説本も難しいと思います。
それでも、あえて挙げるなら、こちらです。
Newtonライト2.0『量子論』 (ニュートンムック)
https://www.amazon.co.jp/dp/4315522384/
●一連のコメントはこちらから
この記事も含めて、一連のコメントは、下記から読むとよくわかります。
大きな地震はおきないと思い込んでいる場所で大地震は発生する
https://en-light.net/archives/12464#comment-5597
コメント
八雲さま
ご丁寧に記事にしていただいてありがとうございました。
とあるブログで、
「先に注意をはらったり、意識を向ければ、最悪のことは起きません。」
量子学的に言えることだ、と書いてあって。
地震の場合もそれにあたるんだな…と感じつつ。
まるで引き寄せとは反対のように感じられることが
何故起きるんだろう?
量子力学ということは科学なんだよね?とも。
そんな思いで書き込みました。
まだまだ知りたいことがいっぱいです。
> もみの木さん
> 「先に注意をはらったり、意識を向ければ、最悪のことは起きません。」
> 量子学的に言えることだ、と書いてあって。
それは、量子力学における観察者効果の事を指しているのではないかと思いますが、量子力学では、観察者の意識は関係がありません。観察という行為だけが関係しています。
「注意を払ったり、意識を向ける」というのは、観察者の意識について語っているのであって、観察という行為の中身を言っていることになります。
繰り返しになりますが、量子力学では観察という行為のみが関係するのであって、観察者の意識がどのようなものなのかは関係しません。
つまり、その文章は自分が言いたいことに都合が良いように、量子力学を捻じ曲げて引用しているのであり、それは科学ではなく量子力学でもありません。
そうなのですね。
ようやくわかりました。
ありがとうございました。
ここまでの、一連のコメントは、下記から読むとよくわかります。
大きな地震はおきないと思い込んでいる場所で大地震は発生する
いつも興味深い記事をありがとうございます。
臨床医ですが、「量子医学」という言葉を聞くこともあります。
本来の量子医学は、分子生物学よりもより微細なレベルの物質・生物反応を考える学問のはずです。ところが、O-リング、キネシオロジー、ホメオパシーなどの医療が「量子医学」とよばれ、さも最先端の医科学のように語る人がいます。しかし、その人の経歴を見ても、物理学や、生物・医学を勉強した経歴がありません。t当然、学術論文もありません。これらの医学はあくまで「未科学」であり、科学的な裏打ちはまったくなされていません。「虎の威を借る狐」ではないですが、注意が必要と考えます。
> にしださん
物理学や工学、医学などの科学領域できちんと学べば、未科学をさも科学的であるかのような事は言わなくなりますが、きちんと学んでいない人の場合は、そもそも正確な理解をしていないので、勝手に科学の装いをしているかのように物事を言うのを止めさせるのは難しいですね。
読み手が、きちんと判断できることが大切ですね。